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2007年01月17日
◎金利相場は今年も続くか、日米欧の金利動向は?

「円キャリートレード」---という言葉は、いわゆる「プロ」のあいだでは前々から知られていた用語だったが、日経新聞などで再三にわたって報じられたこともあり、一般的な認知が高まったのは昨年だったのではと考える。

そんな昨年の価格変動を筆者が調べてみたところ、見事なほど円独歩安の進行した一年だったことが再確認された。金利相場が今年も続くかどうか、当面の動向は要注意だろう。
筆者が米ドルやユーロなど主要7通貨の対円に対する変動率を調べたところ、もっとも上昇した通貨はポンドであり、年間を通した上昇率は約15・0%だった。次いでユーロが12・5%、スイス9・0%、豪ドル8・7%---などとなっている。

変動率を見て筆者が興味深く感じたことは、一年を通して「円高方向に振れた通貨ペアはひとつもなかった」ということか。年初来ほぼ一貫した右肩上がりの展開となったポンド/円は別格としても、主要7通貨ペアすべてでそれが観測されたことはなかなか興味深い。
実際、5月に掛けて年初から見て15%近い円高が進行したNZドル/円にしても、その後切り返すと最終的には4%のNZドル高・円安で大引けている。
やはり円独歩安、「円キャリートレード」に振り回された一年だったと言えそうだ。

さて、そんな去年の相場を参考に今年の相場を以下で考えてみたい。
個人的には懐疑的だが、いわゆる「金利相場」が今年も仮に続くとすれば、「早ければ足元1月にも再利上げが実施される」---と期待される日本円が目先は買い戻されても不思議はないだろう。
それに対して、意見の一本化まではされていないが、米国の金利が今年の年内中に引き下げ傾向にあることは確か。飽くまでも金利差要因だけを考えてのものだが、両者の関係からするとドル/円に関してはドル安・円高の展開を否定出来ないようだ。

一方、ユーロについては日本同様に追加利上げ観測が根強い。ただし、目先はともかく「今後何度利上げが出来るか」といったことを考えると、あと1〜2度で取り敢えず打ち止めになりそうな日本に対し、ユーロはそれ以上の引き上げ余地を残している。とすればユーロ/円の方向性は引き続き右方向だろう。(了)



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