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2006年12月06日
◎企業破綻少なくない、12月は「魔の時期」

世間一般的にはクリスマスムードの高まる11月後半から12月後半に掛けての時期は、金融界にとって実はあまり好ましくない。例えて言えば「魔の時期」とさえ言えそうだ。

と言うのも、過去の経験則からすると企業破綻、それも大型の破綻が何故か集中するタイミングであるためだ。
過去のデータを振り返ると、11月後半から12月後半には大型の企業破綻が数多く集中している。

幾つか事例を挙げると、あの『山一證券』が自主再建の断念を発表したのが11月22日(97年)のことであり、『阪和銀行』に戦後初の教務停止命令がでたのは11月21日(96年)のことだった。また、『北海道拓殖銀行』の破綻と営業譲渡は11月17日(97年)、足利銀行などを中心とした『足利ホールディング』が会社更生法手続き申し立てをしたのは12月25日(03年)---となっている。
もちろん、これ以外にも『関西興銀』や『日本共同証券』、『青木建設』などこの時期に破綻を喫した事例はたくさん存在し、枚挙に暇がない。

一方、これはアメリカなどについても似たような傾向がうかがえる。紙面の関係もあり、ひとつの事例を挙げるだけに留めるが、アメリカのエネルギー大手である『エンロン』が連邦破産法を申請したのが12月2日(01年)のことであった。
ただし、昨年の『レフコ』や米自動車部品最大手『デルファイ』に見られるように、米国の場合には晩秋とも言える時期、日本より1ヶ月ほど前倒しのタイミングとなることが少なくないように思う。

今年はまだ目立った破綻のニュースが報じられてはいないが、それでも「商品相場で大手ヘッジファンドが損失を被り破綻に追い込まれる」---などの思惑がたびたび聞かれていることはやや気掛かり。

また、ヘッジファンド破綻の話とリンクする格好で、資金をファンドに預けていた国内の某金融機関にも大きなダメージが出た、というウワサも一部で聞かれている。飽くまでウワサベースの話とは言え、注意を要するものであることに変わりはない。

仮に、なんらかの破綻が現実のものとなった場合、市場参加者が乏しいということと併せて、マーケットの大きな波乱要因となることは確実だ。常にリスク管理だけは怠らないようにしていただきたい。(了)



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