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2006年11月22日
◎投機筋は年内最後ユーロ買いで勝負

投機筋が年内最後の大勝負に向けて虎視眈々と標的を狙っている。

ご存知の方も多いと思うが、ヘッジファンドなど多くの投機筋は、よほどのことがない限り月内の動意は今月23日の米感謝祭・サンクスギヴィングデーまでとなる。以降、クリスマス12月25日前後までの1ヶ月ほどは、開店休業状態だ。
言ってみれば、足元のマーケットはクリスマス前、「最後の稼ぎ場」であるわけで、ターゲットについて虎視眈々と狙いを定めている状況にあるという。

そうしたなか、NYからの情報によると通貨の売買に関してヘッジファンドはユーロ買いに狙いを絞った感が指摘されている。スポット市場でのユーロ買いもさることながら、オプション市場においても一段のユーロ高を想定した動きがジワリと観測され始めているようだ。遅くとも月内中にユーロ/ドルは一度失敗した1・30ドルブレークの再トライの動きが会っても不思議はないだろう。

話を聞くと、ヘッジファンドがユーロを嗜好した理由は幾つかあるものの、とくに大きいものは次の3点か。
まずひとつ目は、過去の年間変動率と比較して、今年のユーロ相場は「ここまでかなりの小動きに留まっている」---こと。
ちなみに、ユーロ/ドルについて変動率だけを示しておくと、過去の平均16・5%に対して今年は9・85%とまだ2ケタに届いていない。年内に限っても、まだ変動余地は大きいと予想していることが背景のひとつであると考えられている。

次に、同じ「変動率」だけであればユーロ/ドルではなくユーロ/円でもよいわけだが、そこで敢えてユーロ/止めを嗜好する理由は「ユーロ/円は貿易不均衡問題に端を発した日欧の政治要因が不確定要素となる」(在米ヘッジファンド筋)ことが嫌気されているという。その点ユーロ/ドルは政治的な思惑が入りにくい。
そして最後である3点目は、「ロシアをはじめとした世界の中銀が保有する外貨準備高において、ドルからユーロへと資金を移行させている感がある」こと。

つまりユーロ買い・ドル売りとは、中銀による動意を受けて、ある種の「お墨付き」をもらった安心感のある取引なのかも知れない。(了)



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