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2006年11月15日
◎ドル高有利な11月相場、最終的には行って来い

筆者の好きなパターン分析の観点から、足元11月相場について考えて行きたい。

さて、11月相場を見るより先に、終了した10月相場をまず簡単に振り返っておく。
10月相場の特徴は、「まったく動かない」か「非常に激しい動きを示す」かふたつにひとつということだった。つまり、非常に両極端な値動きを示すことが少なくないことになる。
月末に掛けて大きくドルが売り込まれたことで、大相場のイメージを持つ方がいるかも知れないが、月間を通した10月相場のレンジはわずか3・20円。これは、その前月である9月よりは動いた(9月の変動幅は2・72円)ものの、それに次ぐ小動きであった。そうした意味においては、予想通りの展開だったと言えそうだ。

そんな10月相場を踏まえ、具体的に足元の11月相場動向を考えてみたい。
過去の11月相場を見てみると、幾つかの「特徴」が目に付くが、もっとも典型的なものはドル安よりもドル高方向へと動き易い」と言うことだろうか。
一般的な認識としては、11月は月の半ばにかけて米債の償還や利払いが集中することもあり、ドル安に振れ易いと目されている。しかし、調べてみると予想に反した結果が出た。具体的には、90年以降の16年間で12勝4敗という勝敗であり、ドル高に振れる展開が圧倒的に多い。

しかし一方、16年で12回あったドル高有利の状況をよくよく分析すると、さらに2つほどの「特徴」がうかがえる。そして、考え方によってはこちらのほうが重要とも言えそうだ。是非とも頭に入れて置かれたい。

その特徴、ひとつめは確かに11月相場はドル高・円安へと振れる公算が高いものの、「月間の変動幅そのものはさほど大きくない」と言うこと。そうしてもうひとつは、ドル高に振れたあと「最終的には行って来いに近い値動きを辿ることも少なくない」---ことか。

これからすると、11月相場の特徴が「ドル高に振れる」と言っても、それは結果として非常に微妙なレベルに留まる公算がことのほか大きいと言えそうだ。少なくともパターンからすると、月の後半に掛けてドルの上値を積極的に買っていくことは存外リスクが大きいとも考えられる。(了)



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