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2006年11月01日
◎アジア諸国からも円安懸念ジワリ強まる

ユーロ/円が150円を越えると必ずと言ってよいほど、欧州要人による口先介入が観測されることは周知のことだろう。

結果として声明などには盛り込まれなかったものの、今月5日にトリシェECB総裁は「ユーロ/円に関してはG7どおり」と発言するなど、欧州要人の発言を信じれば先日実施されたシンガポールG7でも一応の話し合いがなされた模様だ。
いずれにしても、欧州諸国が一段のユーロ高・円安について根強い不満を持っていることは明らかと言ってよい。

また、円安に対する不満は欧州だけに限ったことではなく、一部オセアニアからも聞かれている。実際、ニュージーランドにおいてはカレン財務相などからNZドル高・円安を懸念する旨の発言についてたびたび報じられている。
先日の当コーナーで筆者が別途レポートしたように、日銀発表の円実効相場が85年プラザ合意以来の円安を示すなど、円独歩安・全面安を辿っていることについて各国からの不満は徐々に広がりつつあるようだ。

そうしたなか、ひとつ興味深いことに、ここ最近になり一部のアジア諸国から足元の円安について、不満の声が出始めた。とくに、それが強いのは韓国だ。
たとえば、今月15日にも日経新聞が「韓国中小企業、ウォン高で打撃」と報じているほか、19日には韓国の一部メディアが「進むウォン高、日本製品との輸出競争力低下」「韓国製品の対日輸出競争力が下落している」---などと報じている。まだ最終的な警告を示すトーンではないものの、今後の相場動向次第では日本に対する非難がますます強まることは確実な状況と言えよう。

となると、足元の円安についてとくだん不満を示していない有力国は米国だけということになる。ただし、その米国についても、オフィシャルの発言は聞かれていないが、自動車業界などからは対日圧力がジワリと強まってきている。いまスグに、ということではないにしても、このあとも米中間選挙など重要な政治イベントを控えているなかだけに、まだまだ予断は許さない。

状況によっては、円安に対する不満で世界的なコンセンサスが出来上がってしまう、危険性すら孕んでいるように個人的には思っている。(了)



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