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2006年10月11日
◎波乱を暗示させるOPのボラ低下観測
通貨オプション市場におけるボラティリティ(変動率)が急低下している。ドル/円の1ヶ月物は、先日ついに7%割れの水準にまで達してきた。ちなみに、オプションのボラティリティが8%台を割り込むことはあまり多くなく、一年にせいぜい1度か2度のこと。
オプションのボラティリティが低下する要因は大きく2つあるが、どちらの理由にしても市場筋の多くが先行き大きな相場変動は期待出来ないと考えたことがまずは前提となる。
しかしながら経験則からすると、ボラティリティの低下は逆に相場の変動を暗示することが少なくない。
もう少し具体的に言えば、ドル/円の1ヶ月物・ボラティリティ8・0%割れは関係者にとって「波乱のシグナル」と捉えられており、7・5%を下回るようだとそれがさらに「大相場の前兆」へとランクアップする。つまり、多く市場筋の見方とは裏腹にマーケットは動くことが儘ある、というわけだ。
そんなボラティリティは今回一部で6%台まで低下する局面が観測されており、それからすると後者に挙げた「大相場の前兆」と言えそう。今後の相場動向には細心の注意が必要なのかも知れない。
実際、筆者が過去15年ほどに遡って調べても、「ドル/円の1ヶ月物・ボラティリティ8・0%以下」は一年にあってもせいぜい2回程度。また、今回のような7・5%以下となると一年に1回あるかどうかの出来事だ。
そうした過去のケースすべてをウォッチしたところ、ボラティリティのボトムアウト後、平均2ヶ月間で10円程度の価格変動を記録していたことが確認されている。
たとえば、近い事例として昨年6月のケースを挙げると、ボラティリティが7・6%台をつけた6月初旬(7日・106・50円)を目先のボトムに、実勢相場においてドルは急騰。ほぼ一本調子のドル高を辿ると、約1ヵ月半後の7月20日には113・73円の高値を示現している。結果は7・23円の上昇で平均に届かずやや物足りないが変動率という観点からは、ほぼパターンに沿ったものであった。
いずれにしても、相場の波乱を予兆させるボラティリティの急低下が足元に起こっているため、先々の相場動向が非常に気になる。(了)
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