TOP
コラムTOP
最新コラム
バックナンバー
2006年08月30日
◎米中間選挙予備選、早々に大波乱発生

11月の米中間選挙に向け、各候補は「暑い夏」を迎えているわけだが、それに先んじて先日行なわれた民主党予備選で大波乱があった。
今月8日、東部コネティカット州で行なわれた民主党予備選で同党の大物であるジョゼフ・リーバーマン上院議員という「現職」が敗れた事件がそれだ。

リーバーマン氏は、3期18年の議員実績だけではなく、ゴア前副大統領(当時)が民主党候補として戦った00年大統領選の副大統領候補にも挙げられていた人物。それが今年3月に予備選挙へ出馬を表明したばかりの新人候補に敗れたのだから驚きは如何なるものか、想像に難くない。

事前の地元大学調査では、リーバーマン氏の支持率が5月の65%から6月に57%に低下。しかし、それでも過半数を確保しており、「磐石」と見られたが結果は手痛い逆転負けを喫することとなった。いずれにしても、これを受けて新人のラモント氏が同州の民主党上院議員候補になることが決まったことになる。

今回コネティカット州の民主党予備選は、「イラク」問題が両候補の大きな対立テーマとなっていたわけだが、ブッシュ政権のイラク政策に理解を示すリーバーマン氏の敗退は民主党候補だけではなく、共和党候補にとっても大きな衝撃を与えるだろう。実際、現地からの情報によると、勝利したラモント氏は「時間がなかったせいもあるのだろう。政策云々というよりも、反ブッシュ色を前面に打ち出して支持を集めた」(在米筋)とされる。
つまり、それからするとイラク問題を中心に、ブッシュ大統領に対して予想以上の強い反感がくすぶっていることが如実に示されたと言えよう。

いずれにしても、今回の選挙結果を受け、「ブッシュ離れ」という戦略の転換を迫られる候補も少なくなさそうだ。無所属で11月本選への出馬を検討、「リベンジ」を狙うリーバーマン氏ももちろん、そのひとり。しかし、問題は11月に向けた「時間」か。
「ブッシュ離れ」というスタンスの変化を前面に打ち出し、さらにそれを一般的に認知させるという作業が必要なわけだが、それには残り3ヶ月では短過ぎる。「有力」と言われる候補であっても、今回の結果を見た限り安穏とはしていられない。如何にして選挙戦を勝ち残るか、早くも正念場を迎えている。(了)



Copyright (C) 2004 fx-newsletter All Rights Reserved