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2006年08月09日
◎取り沙汰される1982年との類似性

為替を始めとする金融マーケットでは、「アナロジー(類似)」について取り沙汰されることが少なくない。
「○○年と似ている」---というアナロジーで筆者がスグに思い出すのは2003年のこと。あの「プラザ合意」が起こった1985年と2003年は非常に似ていると言われ、金融市場でも思惑が広がった。

ちなみに、1985年と2003年のアナロジーは幾つもあるが、例として4つ挙げておく。@自民党田中派分裂(85年、以下同)・自民党森派で内紛(03年、以下同)、AAIDS拡散・SARS拡散、Bエリマキトカゲ大ブーム・タマちゃん大ブーム、CNTT、JT民営化・郵政三事業民営化---など。また野球好きの方にとっては、両年とも阪神タイガースがセリーグを制したことが記憶に残っているという人も少なくないだろう。
そうしたことを受け、「だからマーケットも1985年と似たような展開を辿る」との思惑に繋がるわけだ。

そんなアナロジーが、ここ最近のマーケットで再び聞かれ始めている。ウワサの俎上にのぼっているものは、1982年とのアナロジー。
筆者が調べてみると、イスラエル軍がレバノンに侵攻するなど一部中東諸国で紛争が激化した年がちょうど1982年のことであった。そうしたなかで、ジェマイル・レバノン次期大統領候補が東ベイルートの爆弾テロで死亡してもいる(6月)。確かに細かいところも含め、中東情勢は似通っているところも少なくない。

一方、政治面では秋には鈴木善幸内閣が突然の退陣を表明し中曽根政権が樹立することになるほか、社会的な話題では長崎で集中豪雨が発生、また台風10・18号などが本州に上陸したこともあり、各地で洪水の被害が多発している。そのほか、スポーツ面ではプロ野球セリーグで中日が優勝しているが、今年もここまでは独走状態だ。

もちろん、上に挙げたものはホンの一例で、ほかにもアナロジーと呼べそうな事象は数多い。確かに似ていると言えば似ているのかも知れない。
しかし、そうした目で両者を比較するから類似性を感じるのであって、個人的にはやや我田引水的なイメージがあるように思う。あまり鵜呑みにせず、話半分程度と割り切り、頭の片隅にでも留めておかれると良いかも知れない。(了)



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