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2006年07月19日
◎GS、米政権内で一大流派を築く

米政権内において『ゴールドマンサックス(以下、GS)』人脈が一大流派を築きつつある。仕上げとなったのは、ご存知のように新しく財務長官に就任した前GS会長のヘンリー・ポールマン氏だ。

GS出身者が米政権に入ることそのものは珍しくない。かつても、たとえばレーガン政権のホワイトヘッド国務副長官、ホーマッツ国務次官補のほか、もっとも有名であろうクリントン政権のルービン財務長官---などの名前をスグにも挙げることが出来る。
もちろん、モルガン・スタンレーやメリルリンチなど、ほかの米系投資銀行出身者で政権入りしている人間も少なからず存在するが、質・量ともにGSほどではない。なぜGS出身者の政権入りが多いのだろうか。

それを「癒着説」といったことを唱えることは簡単であるし、また確認の取りようがない。元GS出身者を政権に送り込むことによって、少なからずGSに利益が出ることも確かであるとは思う。筆者はその見方を支持しないが、思惑が台頭することそのものは仕方がない。
ただし、飽くまで私見によればGSのオープンマインドな社風が最大の要因ではないかと思っている。

理由はともかく、非常に大雑把に見ても、現在のブッシュ政権にはポールマン財務長官のほか、大統領補佐官としてジョシュア・ボルテン氏、そして先日辞任が発表されたロバート・ゼーリック氏がGSの出身者だ。また、閣僚クラスではないがNY証券取引所のジョン・セインCEO、輸出入銀行のケネス・ブローディ総裁---など枚挙に暇がない。詳細に調べ上げれば、GS関係者はまだまだ増えそうだ。

そのなかでポールソン氏を見てみると、前任者であるスノー氏、その前のオニール氏のネックであった中国政策に精通しているところが評価されての財務長官就任となった。実際、「直前まではモルガン・スタンレーCEOが最有力候補とされていたなかでの逆転就任」(在米外交筋)で、その決め手になったのは中国ファクターと為替だったと言われている。
なお、為替市場では、「強いドル(を望む)」との表現を使うかどうかばかりか話題となる。気持は判らなくもないが、もっとマクロの視点で考えた方が良いように思う。(了)



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