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2006年05月24日
◎ドバイG7後と酷似、短期的にドル底値圏?
今年4月に開催されたワシントンG7と03年のドバイG7は似たようなところがある。そのひとつは、発表されたG7声明の為替相場に対する言及の仕方ということになるが、調べてみると双方のケースとも同じような価格変動を辿っている。
ドル/円相場は先日一時109円台を示現し、G7後だけで約6円、それ以前につけた目先のドル高値118・90円(4月11日)から考えると、実に9円を超えるドル安が進行していることになる。
発表されたG7声明の類似を元に03年のドバイG7後の展開を筆者が調べてみたところ、最近のドル/円相場と価格変動的にも非常に似通っている動きを辿っていることが見て取れる。
半ば余談になるが、急落から1週間程度経過したあと、目立つ下ヒゲを出すところまでウリふたつだ。そんなドバイG7のドル/円相場はおおよそ1ヵ月半という時間を掛けて、約10円もの下落を辿っている。
足元のドル/円相場は依然として底値を確認した感がなく、ドル安・円高方向のリスクが高そうに感じるが、前述したドバイG7を参考にすれば、そろそろドル安・円高傾向も一服する可能性を否定出来ないかも知れない。いま一段の下値トライも否定出来ないが、ドルは短期的な底値圏に達している可能性もある。
では、仮にドルが反発に転じた場合、ドルの上値メドは一体どの程度か。
これについても前記したドバイG7後を参考にすると、ひとつの興味深いデータが見て取れる。
それは、G7終了後に空けたギャップ(当時でいえば112・73〜113・55円)を埋めたのは、実に8ヵ月が経過してのことだった。具体的には04年5月14日のことであり、それまでギャップは埋められず、ドルの強い抵抗として寄与し続けてきたことが確認されている。
こちらについては、今回の相場に果たして適応出来るのかどうか正直定かではない。しかし、クロス円などが軒並みギャップを埋めてきているのに対し、ドル/円だけは埋めきれない展開が続いている。
仮に前回ドバイG7後と同じような展開を辿るとすれば、116円前後に空けたギャップを年内に埋めることももしかしたら難しいものがあるのかも知れない。(了)
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