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2006年05月17日
◎ユーロ上昇はまだ若い、年内1・35ドルも

為替市場においては、ユーロが相場変動の主軸を担う動きとなっている。
実際問題、ユーロ/円相場が一時145円台と誕生以来の最高値をつけているほか、足元のユーロ/ドル相場は1・28ドル近くまで上昇し、年初来高値を大きく更新する展開を辿っている。

前述したような記録的なレートをつけていることもあり、かなりアクティブに動いているイメージのあるユーロ相場だが、過去の変動を参考にすると今年の価格変動はおそらく考えられているほどには大きくない。事実、年初来ここまでの価格変動を見るとユーロ/円はおおよそ840ポイント、ユーロ/ドルも950ポイントほどの価格変動だ。
「小動き」とは言い過ぎだが、決して歴史に残るような「過度の変動」を記録しているわけではない。

そんな過去のユーロの変動率を筆者が調べてみたところ、一年間に対円で2000ポイント、対ドルでも同じく2000ポイント近く動くことが平均となっていることが判った。
つまり、それからするとユーロ/円は無論、ここまで950ポイントを越え、それなりの動意を示しているユーロ/ドル相場でさえ、まだまだ大きな価格変動を残していることになる。
別の言い方をすれば、ここまでの値動きはまだイントロダクション、導入部分に過ぎず、ここから年末に向けた値動きこそが本当の変動と言えるのかも知れない。

では、過去の経験則を今年の相場に照らし合わせると、ユーロは一体どういう相場展開になるのか。
単純な計算によっても年内にユーロ/円は150円、ユーロ/ドルは1・35ドル近辺までの上昇があっても不思議はないことになる。
もちろん、前記したレートにスグに達するわけではないだろう。年末までまだ7ヶ月以上とかなりの期間を残しており、そのなかでは紆余曲折もありそうだ。少なくとも、このまま一本調子のイケイケンドンで高値を更新していくとは思われない。

しかし、いずれしても足元で高値を更新中のユーロ相場は「まだ若い」と考えられる。こんご時間を掛けつつも、さらに数百ポイントから1000ポイントもの上昇を辿る可能性を否定出来ない。(了)



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