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2006年05月03日
◎民主党偽メール問題、自民党総裁選へも影響

小泉首相が今年9月を持って退任することはほぼ確実な情勢であることは周知のとおり。そのため、かつて「麻垣康三」などといわれた後継者4候補を中心とした後任レートがすでにスタートを切っている。
ちなみに、現在の情勢について一般的には国民の人気が高い安倍晋三氏が一番手とされる。二番手には入閣をしなかったことが逆に功を奏した格好で福田康夫氏が付け、三番手に麻生太郎氏、以下谷垣禎三氏、与謝野肇氏---などとなっているようだ。

一方で、先ごろ発生した「偽メール問題」、一連の民主党騒動は、自民党総裁レースにも影響を与えかねない重大な問題を孕んでいた。
筆者が懇意にしている政治ジャーナリストによると、「偽メール問題を起こした張本人である永田議員はまだ30歳代。また引責辞任した前原代表は43歳、野田国会対策委員長も48と非常に若い執行部だった。世代交代をイメージさせる“若さ”に対しての期待が大きかっただけに、懸念や失望の声が多くの民主党議員から聞かれている」という。

また、若手議員の失態とともに年配の実力者が見せた強い「安心感」も見逃せない。
その典型例は「平成の黄門様」などと呼ばれる73歳の渡部氏が民主党の新たな国会対策委員長に就任したことだろう。老練な渡辺氏の国会対策委員長就任が、空中分解の危機に瀕していた民主党に「どっしり」とした落ち着きを取り戻した感も否めない。
つまり、一連の騒動により“若さ”に対する例えば「未熟さ」といった負の部分や、それに対する「不安」が浮き彫りなった反面、経験豊富な実力者への安心感が上昇し評価を高めたと言えるかもしれない。

こうした考えは、民主党騒動を「他山の石」としたい自民党、もっと言えばその総裁レースへも大きな影響を与えていると見られる。前述政治ジャーナリストは「51歳という“若さ”を売り物としてきた安倍氏にとって大きな逆風になっただけでなく、逆に今年7月に70歳の大台に乗る福田氏にとっては願ってもいない追い風となった可能性がある」と分析している。
もちろん、実際の自民党総裁選まで4〜5ヶ月ほどの日数を残しているものの、その動向はますます読みにくい状況になってきた。(了)



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