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2006年04月26日
◎人民元切り上げ、早い段階は考え難い

米国が中国に対して強い不満を持っていることは改めて指摘するまでもないだろう。
と言いつつ、ここ最近の米国の要人発言を幾つか取り上げると一二日にはスノー財務長官が「中国は人民元の柔軟化に慎重すぎる」としているほか、翌一三日にはブッシュ米大統領が「中国が責務を果たすことを望む。柔軟な為替制度に移行するべき」---とコメントしていた。

そうしたなか、胡錦濤国家主席が現在訪米中で、かつ20日には米中首脳会談が実施される。その席で、米国から中国サイドへ強いプレッシャーがかけられるとの見方は少なくないようだ。
しかし、筆者知人の証券系エコノミストによると、「早いタイミングで人民元を切り上げる可能性は極めて低い」という。

その理由は幾つかあるのだが、うちひとつを指摘すれば「ここ最近の人民元相場は目に見えて状況基調をたどっている」ことだろうか。昨年7月の切り上げ以降、人民元の対ドル相場はわずか1・4%ほど上昇したに過ぎないが、そのうちの0・5%はここ1ヶ月ほどの上昇だ。明らかに人民元の上昇スピードは速まっている。言い方は悪いが、足元の動きは明確な米中首脳会談対策の結果であることに間違いはない。

そのほかにも理由は幾つかあるけれど、いずれにしろ米国サイドも本音ベースでは「足元の動きをそれなりに評価、もしくは満足している」(同)のかも知れない。
そう考えられる傍証も複数見られ、なかでももっとも典型的なことと考えられるのは先月末に実施されたシューマーとグラムという二人の米上院議員による中国訪問だろうか。それを受けて二人の議員の対中政策に相違が生じたことが『ヘラルド・トリビューン』紙などで報じられており、また両議員も認めるコメントを発している。

もっとも、仮に一定の評価を与えているにしても、「米産業界などへのポーズとして中国にプレッシャーを与えているというスタンスは取り続ける必要がある」(同)わけで、それが上記したような要人発言としておもてに表れているだけなのかも知れない。
 所詮、政治の世界はキツネとタヌキの化かしあいの世界。前述した米要人の発言もかなりのポジショントークを内包していると割り引いて考える必要がありそうだ。(了)



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