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2006年04月19日
◎小沢民主党代表誕生、自民に強い警戒感

先週末7日の代表戦で菅元代表を破り、小沢一郎氏が民主党の新代表に就任した。
新聞や通信社の報道を見ると、「9月の代表選までの暫定執行部だろう」(公明党・神崎代表)、「都合が悪くなると代表を切りグルグル回して国民の目を欺く“金太郎あめ”」(自民党・森元首相)などといった声が目に留まった。表向きは強気もしくは平静を装った自民党サイドのコメントが少なくない。

しかし、そうしたウラで、困惑の色を隠せない自民党筋も結構な数にのぼるようだ。
筆者の懇意にしている自民党筋もその一人。今回の問題について次のように指摘する。
「偽メール問題で民主党の永田議員や前原(前)代表の責任問題などを自民党が深く追求しなかったのは何故か。それは下手につついて、代表を含めた民主党の執行部が代わってもらっては困るからだ。ハッキリ言って“死に体”、ボトルネックに陥っていた前原民主党なら自民党はやりたい放題だったし、自民党はそれを望んでいた」---。
つまり、前原代表に辞任されて困る政党は民主党よりもむしろ自民党であり、そのために前原氏をワザと「生かしてきた」と言っても良いかも知れない。

しかし、民主党の自助努力(?)が功を奏すると、前原氏が結果的に代表を辞任。その場合でも、「菅氏が代表であれば、まだくみやすかった」(前述自民党筋)が、最終的には剛腕の名が高い小沢氏が新代表へと就任することになる。一部の自民党筋にとっては、もっとも恐れていた事態になったと言えよう。
いずれにしても、民主党がこれによって「蘇生」。いわゆる「4点セット」などの弱材料を抱えつつ、圧倒的有利な立場にあった自民党と再び互角近くまで盛り返してきた感もある。

「小沢新代表はスキャンダル合戦などではなく正攻法。つまり正面から政策を掲げて自民党にぶつかってくる公算が大きい」(週刊誌系政治ジャーナリスト)と見られるだけに、こんごの動き次第では自民党も足元を掬われかねないだろう。前述した自民党筋も、改めて手綱を締める必要性を指摘した。
そうした意味においては、今月23日に投票が実施される衆院千葉7区の補欠選挙の結果が先ずは注目されることになりそうだ。(了)



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