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2006年03月01日
◎バーナンキ体制発足、新任2名がFRB理事へ

先月末31日を持ち、グリーンスパン氏がFRB議長という職を辞した。
2月からはバーナンキ議長のもと新体制でスタートを切ったFRBだが、注目されているのは新議長だけで、いわゆる「バーナンキ体制」を支えるFRB理事にスポットライトが浴びることは少ない。しかし、バーナンキ氏を含む7人の理事会のメンバーのうち、実に3人の顔ぶれが代わっている。今回のレポートではバーナンキ氏を除く、残り2人の新任メンバーについてご紹介するとともに、考えられるFRBの変化について簡単に報じてみたい。

ご存知の方もいると思うが、FRB理事は正副議長を含めて7人のメンバーから構成されている。しかし、2人の欠員があったため、しばらくはわずか5人の体制を執っていた。すなわち、バーナンキ議長のほかはファーガソン副議長、バイス理事、オルソン理事、コーン理事---となる。
そのため、早い段階で2人の補充が望まれていたが、先日ケビン・ウォーシュ大統領特別補佐官とランダル・クロズナーシカゴ大教授が新たなFRB理事として指名・承認されている。

さて、今回決定した2人の新任理事に幾つもの特徴があるけれど、その際たるものは「若さ」だろう。ちなみにウォーシュ氏は若干35歳で、これはFRB理事としては最年少記録。また、クロズナー氏もまだ43歳の若さである。
それを受けメンバーの平均年齢が大幅に引き下げられた。事実、ウォーシュ氏ら新メンバー7人の平均年齢は52歳だが、それまでのメンバーの平均年齢は63歳を超えていた。つまり、今回のことで平均年齢が一気に10歳以上も若返ることになるわけだ。

では、大幅に若くなった新生FRB、従来のFRBとなにか違いが生じるのだろうか。
まず考えられることのひとつとして、バーナンキ氏と新任2名の理事は略歴にも示されるように極めて政権に近い人物とされることから、ブッシュ政権の意向に沿いやすい政策を取りうる可能性があることか。次に年齢的な問題、いわば「世代対立」を指摘する声も、ウォッチャーのあいだでは少なくないようだ。
そうしたFRB内部の融和、あるいは意見一本化に向けた取りまとめが、新人議長バーナンキ氏に与えられた最初の課題になるのかも知れない。(了)



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