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2006年01月11日
◎今年の為替は政治相場、米中間選挙年はドル安
筆者は本稿が今年初めての執筆ということになる。本年も宜しくお願い致します。
昨年末(12月29日)にお届けした前回レポートでは、足元1月相場について幾つか興味深い事象を取り上げたが、今回は経験則に基づき「今年一年間」を通した相場についてレポートしてみたい。前回と今回を姉妹編としてお読みいただければ、幸いに思う。
早速だが、今年の為替相場動向を考える上でポイントになりそうな重要イベントは少なくとも3つあると思う。
すなわち、@グリーンスパンFRB議長の退任、A米金利引き上げ局面の終焉、B米中間選挙---だ。
そしてそのほかにも、中国人民元の切り上げ、日本の小泉政権交代---なども予定されており、まずは世界的に見ても政治色の強い一年になりそうだ、ということはほぼ疑いのないところだろう。為替のみならず金融界全体に、そうした政治的な思惑がかなり入り込んでくることは容易に想像出来る。
そのなかでも、とくに筆者が注目している要因は3番目に挙げた「米中間選挙」だ。過去において、米中間選挙が為替の世界にも大きな影響を与えてきたことは良く知られている。
業界に長く携わってきた方には周知のことだが、米貿易赤字の削減を題目に、円安是正が日米の政治問題になってきたことは記憶に新しい。「日米自動車摩擦」---などといったフレーズが新聞の一面を飾っていたことも、遥か昔のことではなくホンの10年ほど前のことだ。
そんな状況について、実際に筆者が変動相場制以降で中間選挙が実施された8回の年の為替相場を調べてみたところ、そのうち6回までが円高へと振れていることが判った。それも、85年のプラザ合意後5回はすべて円高だ。
ここ最近、米貿易赤字における最大の懸案は中国となっているものの、米国を象徴する自動車産業が苦戦しているのは日本車のためとの思惑は根強い。米国が再び円安の是正というカードを切ってきても不思議はない。
日米の金利差が今年上半期に掛けてはまだ拡大する公算もあるため、その間は好感した動きからドルが買い進まれる可能性もあるものの、秋から初冬に掛けては米中間選挙もありドルはジリジリと売り進まれる展開になるのかも知れない。(了)
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