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2005年12月28日
◎「リスク許容度」低下、気になる日経平均安

今年の9月以降、一度も調整らしい調整のないまま続いてきた「円安バブル」が、先日いよいよ破裂した。市場格言としては「上げ100日に下げ3日」---などと言われるが、まさにそうしたことを地で行く展開となっている。

さて、いわゆる「バブル破裂相場」は比較的短期で終了することが多いものの、今回気になることは為替の動向だけでなく株価も調整と思しき局面入りしていること。「リスク許容度」がさらに低下するようだと、いま一段の円高も否定出来なくなりそうだ。
相場が一旦円高に振れると、そのスピードの速いことは改めて指摘するまでもないが、今回の「バブル破裂」もわずか2日間で4円を越えるドル安・円高が進行している。

そんな相場動向について、個人的には中期ドル高のトレンドに変更はなく、短期の調整に過ぎないと思っている。目先的には、いま一段のドル下押しは否定できないものの、アク抜け後は再びドル高が進行すると予想するのだが、若干イヤな感じの部分も見られるようになってきた。
その際たるものは、本邦株式市場におけるピークアウト感で、実際日経平均株価は1万6千円近いレベルからやはり2日間で600円を超える下落を演じている。

株安進行のなにが問題なのかと言うと、このあとさらに株価が下落し「リスク許容度」がさらに低下するようだと機関投資家などが海外投資を抑制することはもちろん、海外資産の引き上げに動く可能性も否定出来ないことだ。
個人投資家の方たちにも一部は言えることなのだが、主に生保などの機関投資家は株式を投資の軸としている。その株式投資で含み益を出しているからこそ、為替や外債をはじめとするほかのリスク性商品投資に動くことが出来ているわけだ。

しかしながら、ここ最近は軸である株式相場が揺らいできているわけで、これはのちのち為替市場へと波及的な影響を及ぼしかねない危険性を孕んでいる。ちなみに、株式相場の動向についても筆者は調整局面に過ぎないと思っているが、予断の許さない状況にあることは間違いない。
多くの企業にとっての決算期などに当たっていないことはまだ救いだが、こうした状況が続けば外物投資が抑制されるだけでなくリパトリが活発化される公算が高まることになる。(了)



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