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2005年11月30日
◎ユーロ下値余地大きい、ドル円はすでに8合目
為替取引が一年間にどれだけの価格変動を示すのかを図る指標として、「年間変動率」というものがある。
それによると、過去のドル/円相場は一年間でおよそ17〜18%ほどの価格変動を平均で記録している。翻り、今年の相場動向を見てみると、ここまで16%強の変動となっており、過去の平均値にはわずかに足らないがそれでもなかなかの変動へと達していることが見て取れる。登山で言えば、すでに8合目程度までドル高は達しているのかも知れない。
そのため、飽くまで「年間変動率」という考え方になるが、ドルは年内に120円を超える展開も否定は出来ないものの、そろそろ追い掛けて買いたくはないレベルに達しつつあるとも言えそうだ。
さて、前述したようなドル/円相場の「年間変動率」についての話はそこここで見掛けるのだが、何故かユーロ/ドルについての分析はあまり見ない。よって筆者による分析を以下で御紹介してみたいと思う。
ユーロが正式誕生後の「年間変動率」はと言うと意外に大きく、平均で18・4%を記録する。それに対して、今年のユーロ/ドル相場はここまでわずか14%を少し越える程度の変動にしか過ぎない。もっと動いているイメージはあると思うが、率に換算すると予想以上に平穏な相場が続いていることになる。
ちなみに、まだ今年一年が終わったわけではないが、このまま終了するとユーロ正式誕生後最低の変動率だ。
それからすると、対ユーロでのドル高余地というのは年内に限ってもまだまだ大きいと言えそうで、ドル/円よりもユーロ/ドルでのドル高のほうにさらに大きな期待が持てると言ってよいのかも知れない。単純な計算では、ユーロ/ドルは1・12ドル程度まで下落しても不思議はないのだが、そこまでは果たしていかがなものだろうか?
最後にユーロ/円についてもごく簡単に指摘しておく。
ユーロ/円の「年間変動率」は平均で16%ほど。ただ、ここ2〜3年は小変動が続いており、その間だけでは12・5%の変動に留まる。
ただ、今年のユーロ/円相場の変動率はここまでたったの7・5%。そうした意味においてはドル/円、ユーロ/ドルよりも、ユーロ/円が今後年末に向けて大きな動意を示す可能性もある。(了)
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