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2005年11月16日
◎明暗分かれたポスト小泉、福田氏脱落は早計か

先日、第3次小泉内閣が発表された。事前にウワサされた奥田日本経団連会長の入閣など「サプライズ人事」はなかったものの、「サプライズのないことが逆にサプライズだった」---などといった声も聞かれる陣容になっている。

さて、そんな人事において小泉総理の次の首班指名を目指す、いわゆる「麻垣康三」は大きく明暗の分かれた格好となった。
御存知の方も多いと思うが、前述した「麻垣康三」は、次の首班指名を目指す4人の氏名から一字ずつ取り作られた造語。最近の流行り言葉だ。具体的には「麻」生太郎氏、谷「垣」禎一氏、福田「康」夫氏、安倍晋「三」氏を指す。

そうしたなか、今回の人事においては上記4人の閣僚ポストが注視されていたわけだが、結果は谷垣禎一氏が財務相として留任したほか、麻生太郎氏は外相に、安倍晋三氏は官房長官という要職に就いた。がしかし、福田康夫氏のみ入閣せず。そのためポスト小泉争いから脱落した、との見方が一部で指摘されているわけだ。
確かに、そうした一面があることは否定出来ないものの、物事はそれほど短絡的でない。これは、外相に就任した麻生氏が「一番手」に浮上した、との見方も同様だ。

麻生氏ら3氏がそれぞれ重要ポストに割り当てられたということを逆に言えば、確かに「最有力候補」に格上げすることが予想される反面、ひとつの失策があればそれこそ「脱落」を意味しかねない。ということからすれば、小泉首相の靖国参拝などもあり関係がギクシャクしている日中問題、あるいは国連常任理事国入りなど数多くの難問を抱えた外相ポストというものは、必ずしも手放しで喜べない面があるのではなかろうか。

これは、財務相の留任となった谷垣禎一氏や官房長官となった安倍晋三氏も同様。紙幅の関係から前者についてのみ言えば、財務省ファクターとしてはこれから増税論議が避けられないほか、政府系金融機関のリストラという大きなイベントも控えている。

上記指摘の裏を返せば、閣僚入りしなかった福田康夫氏はアピールポイントがそれほど多くないものの、逆に失策を取られることもほとんどない。「敵失」で一躍一番手に再浮上することも否定出来ず、「幹事長」など下手なポストで入閣しなかったことが功を奏する可能性もある。(了)



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