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2005年11月02日
◎「レフコ騒動」の行方、為替相場予断許さず
不良債権の隠蔽などにより経営危機に陥っていた先物仲介大手の「レフコ」は今月18日、米連邦裁判所に破産法11条に基づく会社更生法の適用申請を行なった。ちなみに負債総額は486億ドルに達し、米企業史上で4番目の大型経営破綻になる。
さて、今回の「レフコ騒動」はCEO(最高経営責任者)による不良債権の隠蔽が発端だった。そうした意味において、01年にエネルギー大手の「エンロン」で起こった事件や、あるいは翌02年に長距離通信大手の「ワールドコム」で起こった事件を思い出された方も多いと思う。
それら2つとも、CEOが主導する格好での粉飾決算が問題となり、やがて破綻にまで追い込まれている。経緯や過程が今回の「レフコ問題」を彷彿とさせるような側面もあるし、最終的な負債総額が「エンロン」で400億ドル、「ワールドコム」は300億ドル強の大型になったことも、確かに近いものを感じさせる。
そうしたなか、相場をマーケットへと転じてみると、「レフコ問題」は如何なる影響を及ぼすのだろうか。前述した類似ケースである「エンロン事件」と「ワールドコム事件」という過去の事例を参考に考えてみたい。
「エンロン事件」の際はあまり大きな価格変動を示していないが、それを持ち影響がなかったと考えることは早計か。「エンロン」問題発覚後、破綻する01年12月はじめまで120円台前半でやや上げ渋っていたドルは、それ以降急騰。翌年1月末には135・20円のドル高値を付けるに至っている。12月はドルが上昇し易いという季節要因も否めないところだが、「エンロン問題」という重石が除去されたことの影響は無視出来ないのかも知れない。
また、もうひとつ「ワールドコム」のケースはと言うと、こちらは発覚から破綻までの1ヶ月間でドル/円相場が125円から115円とおよそ10円のドル安・円高進行となった。ただ、こちらの場合も「ワールドコム」の破綻を前後して底入れし、2週間後には121円台までドルが買い進まれている。
そうしたことからすると、今回の「レフコ」もいましばらくは混乱が残り、ドルは下落するかあるいは買い難い状況が続くにせよ、その後ドルは反転上昇に向かう可能性を否定出来ない。(了)
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