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2005年09月21日
◎再燃するHF破綻思惑、15日「会合」が後押し

またぞろ金融市場の一部においてはヘッジファンドの破綻懸念が台頭しているようだ。
実際、いささか旧聞になるが先月25日の『NYタイムズ紙』では、「コネチカット州のヘッジファンドに破綻懸念」と報じている。さらに詳細を言えば、コネチカット州スタンフォードに籍を置くヘッジファンド『バイユーグループ』に破綻の恐れがあり、コネチカット州が調査に入った---などと報じていた。

弊社の正規レターでは、過去になんどもレポートしているように、こうしたウワサの確認は極めて取り難い。ただ今回のケースでは興味深いことが幾つかあるので、以下では順を追って説明しておこう。
まずは、破綻の恐れがあるとされるヘッジファンドの具体名が挙げられていること。過去を振り返っても、同様のケースはさほど多くない。また、『GM』や『フォード』の格下げ、ならびに断続的に実施される米利上げを受けた米国クレジット市場が大荒れ相場を経験するなど、ヘッジファンドが損失を被っても仕方のない「下地」もある。それらからすると、「破綻懸念」を単なるウワサに過ぎないと聞き逃すこともなかなかに難しいものがありそうだ。

加えてそれ以上に興味深い事象は、15日に実施される「クレジットデリバティブ管理に関する会合」だろう。これは8月24日に正式発表されたもので、それによるとNY連銀と主要な14の銀行が集まって行なわれるという。

実はこの会合、98年に発覚しマーケットを大荒れに陥れた、あのロングターム・キャピタル・マネジメント(以下LTCM)破綻の前にも開催されている。その席でLTCMの放漫経営が露呈され、やがては破綻へと繋がったと言われる非常に重要な会合なのだ。これでは、「思惑を呼ぶな」と言っても効果の薄いことは明らかだと思う。
いずれにしても、前述会合を経て、徐々に「破綻が確からしい」---と言うことになれば、マーケットを揺るがす大きなファクターとなることは間違いない。

最後に若干の余談。
『NYタイムズ紙』が報じた危険なファンドは「コネチカット州」にあるとされるが、98年に破綻したLTCMも籍は「コネチカット州(グリニッジ)」だった。同州にオフィスを構えるヘッジファンドの数も少なくはないがそれでも、本当に偶然なのだろうか。(了)



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