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2005年09月14日
◎9月相場は荒れ易い、最終的には「行って来い」

市場参加者のあいだでは比較的良く知られていることだが、8月のドル/円相場は昨年まで7年連続陰線引け、つまりドル安・円高方向に振れ易い傾向があった。
それが8年連続と記録を伸ばすのか、逆に記録が途切れるのか、どちらに転ぶか注目された8月相場は先日終了。結局、前者の「8年連続」で陰線引けとなっている。

そうしたなか、足元の9月相場についても同様の経験則はないだろうかと筆者が調べてみたところ、8月のようなパターンはうかがえなかった。ただ、それとは別になかなか興味深いデータを2つほど発見したので、今回は以下でご紹介してみたい。

そのひとつはと言うと、ドル高かドル安か、その方向性は別にして9月相場は荒れ易い傾向にあるようだ。
典型例は、あの「プラザ合意」があった85年のケースで、その際には1ヶ月で実に32円を超える変動を示している。これは「反則」と言うか別格としても、9月中という1ヶ月のあいだに10円を超える価格変動も一度や二度ではない。90年以降でも「LTCMショック」あるいは「ロシア危機」の起こった98年には11円強と、やはり大きな価格変動となったことは、まだ記憶に新しいのではあるまいか。
なお、90年以降の平均を算出して見ても月間で約6円もの変動を示している。
考えてみると、今月は日独の総選挙、米中首脳会談、ワシントンG7など材料的には文句のないほど重要なモノが揃っている。それらの内容如何で経験則どおりの荒れ相場も、確かに否定出来ないのかも知れない。

一方、「9月相場」もうひとつの興味深いポイントだが、それは一時的に激しい値動きを辿るものの、最終的には「行って来い」。つまり、月初の寄り付きレベル近くまで戻ったうえで、大引けるということが少なくないことだ。
紙幅の関係もあるが一例だけを挙げると、01年などはその典型で上下に6円強の価格変動を示したものの、月初寄り付きと月末終値の価格差はたったの20銭しか観測されていない。
いずれにしろ、飽くまでも過去の経験則に基づくもので、「当たるも八卦、当たらぬも八卦」ではあるが頭の片隅に置かれておくと良いかも知れない。(了)



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