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2005年08月17日
◎郵政否決で衆院解散、影響は今後ジワリと

「寿司ぐらいとってくれるのかと思ったら、出てきたのは世界各国のビールだけ。公邸にこれしかないんだって自分で抱えてきたよ。つまみで出してくれたのは、干からびたチーズと、サーモンみたいなもの。それしかない。噛んだけど硬くて食べられないんだ」---。

この文章は、郵政民営化法案について森前首相が小泉首相を説得に公邸に行ったときの様子が報じられたもの。日経新聞をはじめとする全国各紙でも報じられただけにご覧なった方も多いと思う。
ご存知のように、世間的には「参院で可決不可避」という危機感満載の状況だったが、いやぁ森さんのコメントを読んで筆者は不覚にも大笑いしてしまった。「真夏の一服の清涼剤」だったのか。

閑話休題。

肝心の郵政民営化法案については、土壇場での逆転はなく、結局予想通り衆院解散がなされた。なお、具体的な日程については衆院選の公示日が8月30日、投票日が9月11日とすることで正式決定されている。
おそらく気の早いところででは、衆院選についての「票読み」がそろそろ開始されるのだろうが、今回ぐらい読み難い選挙もない。と言うのも、まず郵政法案の自民党造反組に対する対応がどうなるのかが明確になっていないからだ。
ご承知のように、小泉首相は「(造反者は)公認せず」としているため、順当に行けば造反議員による「新党結成」というものが流れなのだろう。自民党の分裂選挙というのが規定路線ではある。

しかし、報道を見る限り造反組も一枚岩ではない。飽くまでも「いち自民党議員として出馬する」---的な発言をする方も少なくないようだ。そうした方たちに、小泉首相が「温情」を掛けるのかどうか、選挙戦を占ううえでのポイントのひとつになろう。

さて、そんななか相場に目を転じれば、郵政法案否決直後はさすがに円売りがかさんだものの、その後は「事実買い」の格言よろしく、円買いが優勢となった。 
もちろん、値動きが限定的なものに留まった背景には良いか悪いかは別にして、「どっちが政権をとっても大勢に変化はない」との見方があるわけだが、本当にそうだろうか。個人的にはまだ材料が消化され切っておらず、選挙に向けて、為替市場で一波乱も二波乱もあると予想している。(了)



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