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2005年06月29日
◎ユーロ下落、7割ほどは達成か

ユーロ/ドル相場が弱含みの展開を続けている。足元は1・20ドルを前にやや下げ渋りの様相もうかがえるが、リスクは依然下方向に高い。

そんなユーロだが、果たして「理論的」にはどの程度まで下落する可能性があるのだろうか。テクニカル分析のひとつである「年間変動率」を参考にすると、ユーロ下値は取り敢えず1・17ドル水準が下値メドと言えそうだ。
「年間変動率」は当欄で筆者が何度も取り上げている話。そのため詳細については省略するが、ユーロが正式に誕生した99年以降のユーロ/ドルの年間変動幅は平均で1916ポイント、変動率は同18・37%となっている。

翻って、今年のユーロ/ドル相場を見てみると、ユーロは年明け早々の1月3日を高値にここまでほぼ一本調子の下落といってよい値動きを辿っている。筆者が実際のデータを取ってみると、価格変動は年初来6月17日までに1559ポイント、変動率は11・48%となった。年明け以降、まだ半年も経過していない時期にしてはかなりの価格変動を示しているといって良いだろう。
ともかく、今年のユーロ相場に過去の経験則「年間変動率」を照らし合わせてみると、「変動幅」からみてユーロは1・17ドル前後が取り敢えずの下値メドと言えそうだ。とすると、今後半年のうちに現状レベルからは300〜400ポイントの変動余地、違う言い方をするならユーロの下落余地がない。とすれば、年内のユーロ安はすでに7割程度達成済みと言えるのかも知れない。

しかしながら、「変動幅」ではなく「変動率」からすると、少し違う結論が見えてくる。
実際、過去6年の平均変動率を今年に適応させると、その下値メドは実に1・12ドル台。正式誕生後、過去2番目の小変動15・18%に留まった昨年の値を参考にしても、下値メドは1・15ドル台だ。むしろ、ユーロの下値余地は年内に関してもまだまだ大きいと考えられる。

どちらの見方が正しいのか現段階で判断することは難しいが、足元下げ止まっている1・20ドルを年内に割り込むだけでなく、少なくとも1・17ドル水準まではユーロの下げ余地がある。そうした意味においては、まだまだひと波乱もふた波乱もありそうでユーロ相場は予断を許さない。(了)



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