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2005年06月08日
◎米ナスダックは「サマーラリー」

米国の株式市場が堅調だ。なかでもナスダックの強さは著しく、実際それは5月13日から24日まで8連騰したことにも示されていると言えよう。

一方で、市場関係者のあいだでは株式市場において「サマーラリー」と言われる「夏場の株高」の起こり易いことが知られている。実際に筆者が過去10年程度遡って調べてみたところ、平均で約1ヶ月から1ヵ月半のあいだに約20%もの上昇を辿っていることが判った。タイミング的には幾分早いが、すでにナスダックの「サマーラリー」が始まっている可能性も否定出来ない。

為替相場や株式市場では、季節特有とも言える需給の変化がマーケットの押し上げや逆に押し下げ要因となることも少なくない。為替市場で例を挙げればJanuary Effectと言われる「1月ドル高効果」や「期末前のドル安」などがその典型といえるだろう。
株式市場で指摘される「サマーラリー」についても基本的には同様のようだ。ある外資系のエコノミストは「夏場の株高根拠は薄弱。なぜその時期に需給が好転するのか正直判らない」としながらも、続けて「四半期決算発表の時期でもある4〜5月は毎年需給悪から調整傾向の強い展開となりやすい。夏の株高はその反動か」と指摘している。

しかし、興味深いことのひとつとして「サマーラリー」は、ここ数年徐々に前倒しされつつある。
事実一昨年は5月21日、昨年は5月17日が上昇の起点になっている。そして「サマーラリー」、「夏の株高」といいながら、本格的な夏の訪れる前に終了することが多いことも最近の特徴だろう。それからすると、今年の起点がさらに前倒しされた格好の4月29日であってもまったく不思議はなさそうだ。
仮に、この見方が正しい場合、ナスダックには日柄的にも価格的にもさらなる上昇余地を残している。日柄的にはあと半月からひと月のあいだに、現状からさらに100ポイント以上上昇し、最終的には2200ポイントを超える可能性も否定出来ない。

一方で、為替相場との関係で言えば、経験的に米株高は素直にドル高へと繋がり易い。これは他国から米国へとそれだけ資金が流入するためだろうか。いずれにしろ、為替市場関係者もその動向には気を配る注意がある。(了)



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