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2005年05月18日
◎日米金利差再び着目、ドルの下支え要因に
いささか旧聞となるが、今月6日の欧米マーケットで思惑を呼んだひとつのレポートがあった。それは『メドレー・グローバル・アドバイザーズ』による「FRBは次回FOMCで50BPの利上げを実施する可能性」---などといったものだった。
金利差」が為替相場変動要因のひとつであることは周知のことだと思われる。金利の低い国から高い国へと投資家の資金が流れ易いことは自明の理であるからだ。
実際、日米の場合には金利差が3%を超えると日本から米国への投資が急増すると言われており、それが為替市場においてもドル高・円安要因となってきた。
ところで肝心の日米金利差はと言うと米国が断続的な利上げに踏み切っているにもかかわらず、思ったほど拡大していない。むしろ3月末をピークにここ1ヶ月ほどは縮小傾向にあると言ってよく、金利差縮小が為替市場におけるドル安・円高気味の値動きを促進させていた感も否めない。
しかしながら、先週末に発表された4月米雇用統計における最大の注目材料であった非農業部門雇用者数が事前予想を大きく上回る27・4万人の増加となっただけでなく、3月の改定値も速報値の11・0万人増から14・6万人増へ、また2月分も30・0万人へと上方修正されている。
懸念されていた米雇用情勢に強気の数字が示されたことで、やや消極的な見方が少なくなかった米国の追加利上げに対して、再びブリッシュな指摘が聞かれ始めている。前述した『メドレー』レポートなどは、その代表的なものと言ってよいだろう。
一回こっきりの経済指標、米雇用統計で結論付けることは早計だと思われるが、米国の金融スタンスが「段階的な引き締め」にあることは間違いない。一方で、日本が金利の引き上げに動くことは考え難いことから、日米金利差については今後さらに広がる公算が大きい。
足元については、何度裏切られても懲りずに台頭する「中国人民元切り上げ」思惑(一説には来週18日が「Xデー」とも・・・?)などがドルの上値を抑制しそうだが、「オオカミ少年」的な要素がいつまでも通用するとは思われない。市場のテーマが再び日米金利差に移行するようだとドルはジリジリと下値を切り上げる展開となっても不思議はなさそうだ。(了)
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