TOP
コラムTOP
最新コラム
バックナンバー
2005年05月04日
◎外人日本株売り注意、4月以降は売り一色

日経平均株価は4月21日にザラ場だけでなく終値ベースでも11000円の大台を割り込む局面があった。
株価が大きく下落している材料的な要因はさておき、需給的にはこれまで積極的な日本株の買い手であった外国人投資家が一転して売り手にまわっていることを見逃すわけにはいかない。仮に外国人による日本株売りが今後も続くようだと、為替市場においても円安要因として寄与する可能性がある。

「東京証券取引所(以下、東証)」の発表によると、外国人投資家は昨年一年間で日本株を7兆6000億円あまりも買い越してきた。これは、個人投資家の買い越しのおよそ2倍に当たるだけでなく、主体別に見た場合には生保や投信、信託などを問題としない圧倒的な買い越し額だった。
また、外国人投資家は今年に入っても日本株購入意欲は衰えていない。実際、東証のデータでは1〜3月だけで2兆3000億円以上も日本株を買い越していることが示されている。つまり、昨年来今年3月までの累計買い越しは約10兆円もの金額に達する。

そんな外国人投資家だが、3月末ぐらいから日本株に対してのストラテジーを変化させているとの見方が有力となっている。事実、これは例えば大手外資系金融機関の出している「外資系12社の早朝指値売買」などを見ると一目瞭然だ。足元4月についても、本稿執筆時26日現在で実働18日中買い越しはわずかに2日しかなかった。
さて、そんな外国人の売りもあり日経平均株価は大きく下落し始めているわけだが、需給的にはさらなる正念場を迎えつつあるようだ。

と言うのは、昨年来外国人投資家が積極的に日本株を買い越してきた平均コスト水準に、実勢相場が急接近していることによる。折りしも、足元のドルベース日経平均株価は105ドル前後のレベルにあるが、昨年来の外国人投資家の日本株買いコストは実に104〜106ドル程度と推測される。
投資・運用において損益分岐点を下回ることの重大さは言うを待たないことであろう。これまで投資してきた10兆円満額がすべて流出するわけではないにしても、株式市場だけでなく為替市場においても無視出来ない要因であることは疑いない。リスク要因としてしっかり頭に留めておきたい。(了)



Copyright (C) 2004 fx-newsletter All Rights Reserved