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2005年03月23日
◎株高もたらす「愛ルケ」効果

筆者は一度も読んだことがないのだけれど、日経新聞朝刊の最終面に連載されている渡辺淳一さんの小説、「愛の流刑地」がマーケット参加者に大人気だという。
実際、「愛の流刑地」を縮めた「愛ルケ」などという隠語(?)まで、存在していると言うから驚きだ。

その一方、日経平均株価は99年8月以来となる8連騰を記録するなど、強含みの展開で1万2千円トライもそう遠くはなさそうだ。ともかく、日本株は予想以上に強いと言えるかも知れない。
そうしたなか、一部株式アナリストなどからは株式市場における「愛ルケ」効果があったのでは、といった指摘も聞かれ始めた。文章(レポート)としてまとめられた話を聞いたわけではないけれど、前述アナリストの分析によると「渡辺淳一さんが日経新聞に小説を連載した期間は株価が何故か上昇する傾向にある」---そうだ。

実際、筆者も過去を遡って検証してみたが、確かにそうした傾向がうかがえる。
上記の件について、もう少し詳細なデータを示せば、渡辺淳一さんは84年の「化身」に続き95年には「失楽園」を連載、そして昨年秋から「愛の流刑地」とほぼ10年おきに日経新聞上で小説を連載している。
連載期間に日経平均株価が辿った軌跡については、筆者の作成したチャートを添付出来なくて残念だが、ともかく過去2回のケースともおよそ15〜20%の上昇を辿っている。また、連載が終了するまで株価は比較的高値圏で推移し続けているということも、見逃せないポイントか。

翻って、今回の株価動向はと言うと、連載開始から4ヶ月強ですでに10%強の上昇を辿っており、まさに「経験則どおり」。波形としては、「化身」よりも前回の「失楽園」に近いものがうかがえる。
なお、弊社顧客向けの正規レポートで、筆者は「米国人投資家は予想以上に日本株強気」といった内容をかつて配信したことがある。そのなかで、「中期メドは1万3千円」と指摘したが、今回報じた経験則どおり20%の上昇を今後達成すれば、日経平均株価は12900円とかなり近い数字になることは興味深い。
いずれにしても、新聞への連載小説は通常1年程度続けられるもの。それからすれば、まだ半年以上も日経平均など本邦株価は堅調に推移しても不思議はないだろう。(了)



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