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2005年02月23日
◎アジアファクター注意、為替の波乱要因に

今月始めのG7前には中国人民元の去就をめぐり一喜一憂した為替相場。中国と米国を中心とした要人の発言で相場が荒い値動きを辿ったことも一度や二度ではなかった。
しかし注目のG7も終了したことで、人民元に対する関心も取り敢えず沈静。相場は目先的に次の材料探しといった様相を呈している。米ファンダメンタルズ、あるいは各国の金利差あたりがテーマになるのだろうか。

まだハッキリとはしてないのだが、興味深いことは先週末に掛けて連日「北朝鮮」問題が相場の波乱要因なっていたということだ。以下で、ごく簡単におさらいしておこう。
まず9日にサッカーW杯のアジア最終予選で「日本vs北朝鮮」戦が埼玉スタジアムで実施された。その興奮も冷めやらぬ翌10日になり、北朝鮮が6ヶ国協議を無期限に中断すると声明を発表すると同時に、「自衛のために核兵器を建造した」---と初めて核兵器の製造を認めた。これがすべてではなかったが、ドル/円相場は105円台から一時107円近くまでのドル高・円安が進行することになる。
その一方、東京が休場となった11日は欧米タイムになり、「北朝鮮の金総書記失脚」のウワサがどこともなく流れ、為替市場よりも米株市場に影響を与えた。

こうした疾風怒濤の北朝鮮ファクターが今後も為替市場の値動きに影響を与える展開が続くかどうか、筆者は判らないと言うよりも正直懐疑的だ。そもそも論として言えば、「核兵器建造」という最強カードをすでに切っているだけに、この先どんなニュースが出たとしてもバリューに乏しく感じるのではなかろうかと思う。
けれども、中国(人民元)や北朝鮮に続く格好で、アジアに目が向き易い展開が続くのでは、といった期待感を実は一抹持っている。今年の上半期はアジアファクターに要注意だと考える。

もっとも、一口に「アジアファクター」と言っても、日本がその中心となるイニシアチブを持てるかどうかでまた判らなくなるのだが。
しかし、ここで日本が上手く主導権を取れないようだと、アジア諸国における日本の地位の地盤沈下はますます顕著になってしまうのかも知れない。予想以上にシビアな問題点を内包しているとも考えられるだけに、その動向からは容易に目が離せない。(了)


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