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2005年01月19日
◎ユーロの行き着く先は?超長期先高感まだ強い

 先週末7日の欧米タイムには一時1.30ドル割れをうかがうなど、足元はややユーロ安・ドル高が進行しているものの、ユーロ安傾向は継続しないと考える強気の見方は決して少なくない。
 そうした状況下、筆者のコンタクトしている米系ヘッジファンドでは「ユーロ高は容易に終わらない。最終ターゲットは1ドル=1独マルク」と指摘している。

 対ドルにおけるヒストリカルな独マルクの高値は、円が高値をつけたときと同じ95年の4月19日だった(クローズベース)。ちなみに、そのレートは1ドル=1.3650独マルク。これをユーロに換算すると、およそ1ユーロ=1.45ドルとなる。
 仮に、今後そのレベルを目指すとしても現在から1000ポイント以上のユーロ高・ドル安が見込めるわけだが、前述ヘッジファンド筋の見方からすると、その1.50ドルすら大きく超えていくことになる。

 もちろん、こうした指摘にはヘッジファンド特有の「ブラフ」も含まれる。変わり身の早さも、一応念頭に置いておいたほうが良いだろう。とは言え、前述ヘッジファンド筋は珍しく、幾つかの「理論武装」しているところが興味深い。以下でうちひとつを簡単にご紹介しよう。
 それは、「ユーロ売り介入の合意がなされていないし、今後も容易になされるとは思われない」(同)こと。確かに、欧州中央銀行のECBには介入の指揮権はあるものの、ユーロは1ヶ国ではなく「欧州圏」の共通通貨であるため、介入原資は基本的にユーロ圏各国の国庫となる。事実、「ユーロシステム(ECBとユーロ圏12ヶ国中銀)」の保有する外準は1400億ユーロを超えるが、うちECBが介入に使用できる金額は僅か300億ユーロ程度に過ぎない。

 ともかく00年10月につけた0.82ドル台から最近の1.36ドル台まで、ワンウイに近い格好でユーロは4年以上の時間を掛けて、実に5000ポイントを超える上昇を辿ってきた。がしかし、それでも大局的にはまだまだ大きな上値余地を残している可能性がある。
 これまでは中東諸国や一部のアジア系中銀などによる外貨準備高のユーロシフトに基づくユーロ高だったが、ここからは投機筋主導によるユーロ高第二幕が訪れる危険性を孕んでいるのかも知れない。(了)



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