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2004年12月29日
◎荒れ模様の「年末・年始」相場
今月はじめに当レポートのなかで、「12月の為替相場は波乱か凪か値動き両極端」と報じたことがあった。
そのときの結論に間違いはないものの、12月から翌年1月までの相場の流れを見ると、前述の傾向はより鮮明となる。実際、95年以降昨年までの過去10例を調べてみたが、12〜1月の2ヶ月で10円以上動いたパターンも5例観測されている。また、変動幅をやや狭めて2ヶ月で7円程度とすれば、実に8例までが適応されることになる。
市場参加者が減退し、「薄商いとなるなか波乱含みの展開」を辿る可能性も否定出来ない。
12月から翌年1月までという、「年末・年始のドル/円相場価格変動」を過去に遡って調べてみると、幾つかの興味深い事象がうかがえる。
そのひとつとして先ずは「値動きの荒いこと」が挙げられよう。また、「一方向に大きく値幅を取る」こともままあるようだ。それらの典型例は、02年(01年12月〜02年1月)のケースで、12月初の123円台から1月末には135円台と実に12円を超えるドル高・円安を記録している。
それとともに、前述の10例を見ると「クリスマス前後から年明けに掛けて大きく動くパターン」も少なくない。一例を挙げると、00年(99年12月〜00年1月)の相場がまさにそうで、年明け3日の101.40円を目先安値に僅か3日間で106円近くまでのドル急騰を辿っている。
このほか、96年や98年、01年などもこのパターンに含まれそうだ。
一方、良く知られていることだが、「翌年1月につけるドルの高値が、何らかの象徴的なレートとなる」−−こともかなりの確率で起こりうる。
これについては1月初旬につけた価格がドルの年間高値となった93、94年のほか、年後半に更新はしたものの半年以上も1月高値を超えられなかった95年や00年なども近いパターンと言えるかも知れない。
いずれにしても、そういった過去のパターンを含めて今後しばらくの相場を展望すると、現在は104円台で中段保ち合いとなっているドル/円だが、来年1月に向けて右肩上がりの展開を辿っても不思議はない。12月初の「起点」が103円前後であったことからすると、その過程の中で110円に迫る可能性も否定出来ない。
もっとも、前記したようにそれが当面の高値となる確率もあるだけに、積極的な追随買いに動くことは意外にリスキーであることも一応念頭に入れておく必要はありそうだ。(了)
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