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2004年12月15日
◎12月為替は値動き、波乱か凪か両極端

名実ともに12月に入ったことで、今回も以下において12月のドル/円相場動向を考えて見たい。

先ずは、一般的にも知られていることだが、12月は「ドル高・円安になり易い」と言われている。
これは需給面からも、ある程度は裏づけられる。と言うのは、欧米企業の決算が12月に当たることで、日本に支社や支店を持つ会社や銀行が本店に対する利益送金などを実施するためだ。これが実に馬鹿に出来ない金額となる。

ところが、筆者が過去の12月相場を調べてみると、必ずしも前述したような「ドル高・円安」とばかりは言えなかった。例えば、直近10年間では7勝3敗と確かに「ドル高・円安」が優勢ながら、昨年と一昨年は逆の「ドル安・円高」に振れている。ホンの2つの事例だけで断定することは危険だが、00年以降はやや流れが変わりつつのかも知れないことは一応念頭に入れても良さそうだ。
 一方、12月相場でそのほかに興味深いことと言えば、値動きが極端に大きいか、もしくは逆のベタ凪になるか、ともかく両極端であることか。
何故そうなりやすいか、ということについての説明は必要ないだろう。とくに半ば以降は極端な薄商いとなることから、間隙を突くような投機筋の動きがあった場合には大きく動くし、皆が動意を見送れば凪相場になると言うことなのだろう。

いずれにしても、前者の典型例は1ヶ月で10円以上動いた98年のケースであり、そのほか01年も8・82円、翌02年は7・43円の価格変動を記録している。反面、昨年は僅かに3・30円で1年を通した年間の変動率は実に10位、99年は2・47円で同じく変動率で年間の最下位だった。ともかく、今年の12月相場もいったん動意づくと波乱含みの公算が大きいと言えそうだ。

 後に、「12月相場」と限定された話ではけれども、やはり過去のパターンからすると「年初1月の月足が陽線(陰線)で引けると12月の月足も同じく陽線(陰線)になる」可能性が高い。ちなみに、こちらは過去10年間で8勝2敗の成績だ。
周知のように、今年1月の月足は実体部1・5円ほどの陰線となっており、それからすると12月も陰線、ドルはやや弱含みに推移しそうなのだが・・・。


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