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2004年12月1日
◎波乱相場はまだ序章、100円割れも視野
NYからの情報によると、ヘッジファンドなど一部の投機筋が積極的な「日本の株高・円高」戦略を取り始めているという。
またそれとは別に、筆者が直接コンタクトしている、あるカレンシー・ファンドも「ここまで大きなパフォーマンスを挙げられていない」とする一方で、現在の相場付きを「今年最後の稼ぎ場」と認識、さらなる収益チャンスを虎視眈々と狙っている。年末・年始に向けた波乱含みの相場はこれからが本番であるのかも知れない。
マーケット・ディーラーのあいだではたびたび指摘されることだが、今年は通貨の売買にウェートを置くカレンシー・ファンドの成績があまりよくないと言われている。
ここにきて若干の値動きを示しているが、ドル/円の値動きは年初来10月末までで僅か11.5円に留まっていた。確かにこれではシロウト眼にもなかなか積極的な益出しは困難だったのではないかと推測される。
そうしたなか、大手を含む複数のヘッジファンドが現在の相場付きを「千載一遇のチャンス」と捉えているようだ。とくに先週末に向けては重要とされる国際会議が目白押しのなか、「米国をはじめとする要人発言などを聞く限り、強いドル安阻止の姿勢がうかがえない」(前述カレンシー・ファンド)などとし、多くの投機筋にドル売りの安心感を与えてしまっていた感は否めない。
なお、ドル/円相場の具体的な下値について、一部から「ターゲットは90円、いや80円などと言った景気の良い話も聞かれている」(NY筋)との指摘もある。通常は逃げ足の速い投機資金だが、少し長いタームで見ても要注意と言えそうだ。
一方、日本株についても基本的に同様。
ただし、ドルベースの日経平均株価は105ドルを超え、短期的な利食い売りゾーンに入っていることを気掛かりとする声も一部にはある。
本邦財務省の統計によると、外国人投資家は今年3月だけで2兆円もの資金が日本株へ投資したとされており、そうした意味での資金シフト「余力」は十二分。
日本の景気回復に陰りがうかがえ始めるなど、ファンダメンタルズ的には気掛かりな要因もなくはない。こちらは為替に比べて「短期勝負」となる可能性もありそうだ。
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