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2004年11月24日
◎欧州中銀の市場介入、経験則からは要注意
筆者が代表を勤める『FXニュースレター』では、これまでに米国の中央銀行であるFEDや日銀(日本政府・財務省)による市場介入の可能性についてたびたびレポートしてきた。詳細については、弊社までお問い合わせいただきたい。
それに対し、ECBなど欧州中銀による介入の話はこれまでほとんど聞かれてこなかったが、ついにここへきてECBよる「ドル買い・ユーロ売り」介入の話題が俎上に上り始めているようだ。
直接的なキッカケとしては、1ユーロが1.30ドルの大台を回復、ヒストリカル・ハイを更新するなど右肩上がりのユーロ高が続いてきたことによるが、加えて複数の欧州要人からここにきて相次ぎユーロ高を懸念するような発言が聞かれているためだろう。
ご存知だと思うが、一応以下で2つだけ取り上げると、先ずはイタリアのシニスカルコ経済財務相による「複数の欧州中銀による協調介入の議論がある」などと述べた発言(そののちトーンダウン)で、またイッシングECB専務理事も「最近のユーロ相場の値動きは荒く歓迎出来ない」としている。
そうしたなか、筆者が過去に遡ってユーロやマルクに関する介入について調べてみた。
結論を論じる前に一つだけお断りをしておくと、本当であればECBやBUBA(ブンデスバンク=ドイツの中央銀行)が実施した介入を調べたかったのだが、如何せんオフィシャルなデータを公表していない。そのため、FEDが発表している四半期報告の中で「対マルク(ユーロ)で協調介入を実施した」と記述されているものを、ここでは暫定的にBUBAなど欧州中銀が介入したものと考えてみたい。それでも大きくは間違っていないハズだ。
ともかく、それによると欧州中銀が「ドル買い」介入を実施した最後はまだマルクが主権を握っていた1995年のことで、以降はただの一度も「ドル買い」の介入は実施されていない。
つまり、ECBがこのあと実際に介入を実施すれば10年ぶりの出来事だが、レベル的にはBUBAなどが過去にドル買い介入を実施したレベルへとすでに足を踏み入れている。もちろん、足元でスグにと言うことではないにせよ、経験則には危険水域へと到達していることは一応注意しておく必要があるだろう。
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