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2004年11月10日
◎11月は「行って来い」、値動きあっても一時的

月初の恒例として、以下では11月のドル/円相場動向を考えて見たい。
周知のように、11月は2日の米大統領選を始め、米雇用統計、FOMCと月半ばまでに重要材料が目白押し。そうしたなか、ドル/円相場はドル安・円高気味の展開を辿っており、前述した各種の重要材料を踏まえ、方向性がよりハッキリすることが期待されている。果たして思惑通りの展開を辿るのだろうか。

その11月相場について筆者が調べてみると、2つの興味深いポイントが見受けられる。それを順に記せば、まず前10月ほどではないものの、「値動きが比較的鈍い」ことだろう。実例を幾つか示すと、昨年は年間変動率が7番目と中位ながら、変動幅は3.98円に留まっている。その前年である2002年は変動率が年間10番目、変動幅は4.09円だった。
11月相場、もう一つの特徴は「行って来い」の展開、つまりテクニカル的に言えばドル/円の月足が上下にヒゲを残す格好での十字線といった様相を示すことが少なくないことだろう。こちらも実例を一つだけ示すと、昨年は11月の寄付きが109.80円レベル、終値が109.60円とその差はわずかに20ポイントに留まっていた。
なお、有力ディーラーの一人は11月相場について「ドル高方向が多い」と指摘しており、それそのものは間違いでない。がしかし筆者の分析では、むしろ「方向性のハッキリしない月が多い」といったほうがより正確ではないかと思われる。

いずれにしても、前述したように足元の相場がドル安・円高気味に推移しているだけでなく、米大統領選挙で民主党のケリー候補が勝利した場合にはさらなるドル安が進行すると言われている。
その一方、逆にブッシュ氏が勝利した場合には、ヘッジファンドなどによるドルショートの巻き戻しが活発化するとの見方も有力だ。
しかしながら、ケリー氏、ブッシュ氏のどちらが勝利したとしても、経験則からすると月間を通した結果となれば「行って来い」となる公算が大きい。ドル高orドル安どちらかに大きく振れたとしても、それは飽くまで一時的な値動きに留まる可能性を否定出来ないのかも知れない。


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