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2004年10月20日
◎米大統領選前テロ注意、為替はドル買い難い
いささか旧聞になるが、先月30日のNYタイム、マーケットでは「ワシントンのキャピトルビルで不審物が見つかり職員らが避難」とのニュースが報じられた。
また、欧州系銀行の有力ディーラーによると、同じ9月30日には、ほかにも少なくとも35人が死亡した「バグダッド連続爆弾テロ」が発生したほか、「英旅客機が脅迫のため緊急着陸」「IMFビルへの爆破予告」---などといったニュースや噂もあったと言う。
いずれにしても、ブッシュ大統領とケリー上院議員による米大統領選向けテレビ討論会開催直前というタイミングで、上記のようなテロを連想させるニュースなどが連発したことは決して偶然ではないだろう。
例えば、筆者のコンタクトしている、ある在米シンクタンク筋は30日の動きはまさに米大統領選を意識しているとしたうえで、「米大統領選までの1ヶ月を切るなか、中東情勢にはとくに注意が必要だ。選挙前は穏便に済ませたい意向の米国・ブッシュ政権からの反攻はないと考えている反米勢力が様々な手段、つまりテロに動く可能性を否定出来ない」と指摘する。
こうしたことが為替をはじめとする金融市場にどう影響するのか。
一概には言い難いところもあるけれど、少なくとも為替に関すればドルを積極的に買い難い状況に置かれることは疑いがない。ドル/円で言えば、先日の「財務省介入のウワサ」などから111円後半まで達する局面もあったが、そのレベルを上抜けることはしばらくないのではとの見方も徐々に聞かれるようになってきた。
それに対して、ユーロや円、さらに「避難通貨」という観点からするとスイスフランあたりが今後さらに強含みに推移することも否定は出来ないだろう。
なお、前述したドル安・欧州通貨高については単なる「テロ思惑」だけではなく、中東筋による需給的な要因も懸念されている。
それは、一部中東筋による米国から欧州に向けた資金シフトであり、外貨準備高のポートフォリオを組み替えているとの声は引き続き強い。予想を大きく上回る原油高もあり潤沢な資金を保有する中東諸国だけに、こちらの状況にも注意する必要がありそうだ。
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