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2004年9月22日
◎輸出採算改善見込み、為替予約は遅れ気味

輸出企業の第2四半期(7〜9月)期の輸出採算が改善される、との見方が強まっている。

ドル/円はともかく、ユーロ/円が円安傾向の推移を続けているためで、「為替予約の遅れが結果として功を奏する」(関西系電機)公算が大きいという。ユーロ/円は実績で各社とも133〜135円程度になりそうだ。すでに発表されている今年第1四半期(4〜6月)の決算によれば、第1四半期の為替予約実績はドル/円が108〜110円、ユーロ/円は132〜134円となっていた。ちなみに、この為替実績は多くの企業にとって、ドル/円が当初の想定レートよりも約3〜5円ほど、ユーロ/円は同じく7〜9円もの改善。

そうした状況下、足元である今年第2四半期の見通しについて、大手自動車メーカーや電機メーカー数社の担当者にヒアリングしたところ、前期並みかやや改善される見通しが高いとの回答を得た。その理由については、ユーロ/円を中心にクロスで円安が進行しているためで、少なくとも前期並みは確保出来そうだと言う。筆者のヒアリングした範囲内では、前期を下回る見込みの先は観測されていない。
その反面、ドル/円は言うと、こちらも微妙だがやはり前期比並みとする先が大勢。ここ3週間あまりのドル/円相場が109〜111円というレンジ内で一進一退を続けていることもあり、「スポットに近い、駆け込み的な手当て分も110円近いレートで確保出来る」(中堅自動車)などとし、ホッと胸を撫で下ろしている先も少なくない。

しかしながら、問題はこの先、10月以降の分だろう。「通常は2〜3ヶ月先をメドに3〜5割を手当てする」---などと言われる輸出企業だが、前述したようにとくにドル/円は膠着の様相を呈していることもあり、足を伸ばした予約については手当て見送っているためだ。
あるメーカーの担当者は、「米大統領選後はドル高・円安に振れ易い、とのジンクスがある」---などとし、手当ての遅れを懸念していないと強調するが果てして結果はどうか。
もっとも、一方で秋の米大統領選を控え、自動車メーカーを中心に大きな為替差益を挙げた、とは声を大にして指摘できない側面もあるにはあるのだが。


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