色々と叩かれることの多いトランプ米大統領だが、筆者は決して嫌いではない。
朝日新聞を筆頭とする日本メディアが安倍首相の動きについて報道するのと同じで、「悪いところばかり、重箱の隅を楊枝でほじくる感じで叩いている」−−ってところもありますしね。そうした意味で、彼の評価は少しばかり割り引いてみる必要があるとも思うし。
ただ、先週末の行動はいただけないなぁ・・・・・・。 金融市場に身を置く人間として、ちょっと見逃すことが出来ない。
いったい何があったのか。ご存じの方もいると思うが、次のようなことがあった。
発表される米経済指標をめぐり、金融市場が大きく動くのはおわかりだと思う。
そうしたなか、もっとも警戒されている指標が「米雇用統計」というもので、基本的に「第1金曜日、夏なら日本時間21時半」に発表される。
つまり、その最新版が先週末の1日に発表されたのだが、トランプ氏は発表される30分以上前、自身のツィッターに「雇用統計の数字を楽しみにしている」と書き込み、為替市場が思惑から大荒れとなったのだ。
しかも、トランプ氏の文面を素直に読めば、「指標の数字は良さそう」と思えるけれど、実際に発表された指標は予想を大きく上回る好数字だったことで、発表後に改めて再燃する騒ぎとなった。
なお、そののちクドロー米国家経済会議(NEC)委員長が、「トランプ米大統領のツイートは、強い雇用統計を示唆する意図はない」などと発言し、火消しに動いたものの、収まりのつかない参加者も少なくないようだ。
幸か不幸か、取引をしていなかったけど、筆者もそうですね。
この件について、週末にサマーズ元米財務長官が、自身のツイッターで、「クリントン政権やオバマ政権で朝の雇用統計発表前にホワイトハウスの大統領公式アカウントや高官が何か言ったら、大スキャンダルになって、徹底的に捜査が行われていただろう」と投稿、トランプ氏の「ほのめかしツイート」を非難しているが、筆者もまぁ同感かな。
さすがに、大統領が指標の数値を事前に知らなかったとは思えないから、「口が滑った」というか、ツィッターなので「手が滑った(あるいは、筆が滑った)」ってことなんだろうけど、どちらにしても「アウト」ですよ。
まったくねぇ・・・・・・。よくいえば、自由奔放だけど、誰がしっかりした「監視役」というか、「首に鈴をつける」人間はいないんですかね?
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