ネットニュースを見ていたら、「タレントの小倉優子さんがバラエティ番組で、桃太郎の昔話について、嫌悪感を示す一幕があった」−−というような内容を発見した。
幸か不幸か、実際の番組は見ていないのだが、小倉さんは「わたしは、鬼退治じゃなくて、話し合ってほしいんですよ、鬼と」と述べたという。
・・・・・・これについて、ネットでも比較的ライトな意見が多いのだが、筆者は大問題というか、こうした思考が世の中をつまらなくしている最大の原因だと思っており、実は笑って済ませる気にならない。
どういうことかと言うと、番組で小倉さんは「カチカチ山とかも酷い」と言っているけれど、いまの絵本のカチカチ山のストーリーを知っていますか?
以前に書いたことがあるけれど、筆者は絵本も好きでたった50冊ぐらいだけど蒐集している。そのなかの1冊によると、いまのカチカチ山って、単に「おばあさんにイタズラをした狸が、ウサギに懲らしめられ、改心する」−−っていうストーリーなんですよ。
読んでいて、まったくつまらない。ヤマというか、盛り上がりがまったくないので。
これ、筆者の子どものころに読んだものだと、「狸がおばあさんをダマシて殺す。その復讐にウサギが立ち上がり、狸を焼き殺す」−−でした。さらにいえば、「殺したおばあさんを汁物にして、おじいさんに食べさせる」という描写も途中で出てきます・・・・・・。
ともかく、そんな悪いことをしたら、強烈なしっぺ返しがくるって教訓が「カチカチ山」だったハズなのです。それが、小倉さんのような「残酷」とか「可哀想」「子供の教育に悪い」−−とか、アホなことをいう人間が増えてきて、ストーリーがどんどんマイルドな方向に「改悪」されてしまっているんですね。
ちなみに、小倉さんが最初に文句をつけた「桃太郎」についても、さすがに「話し合いで解決」というストーリーはないけれど、「鬼退治に行ったら鬼が改心し、桃太郎と一緒に都に来て、今度は正義のために尽くした」−−なんていう結末のモノもいまではあります。持ってはいないけど、実際に書店で立ち読みしたことがあるから。まったく世も末ですな。
結婚もしていないし、子どももいない筆者言うのは何だけど、こういうのって、親がキチンと教えればいいだけの話で、昔話に修正を求めるのって、ちょっと違うのではないかと思いますね。
テレビでも何でも、表面だけは良い子、差別用語などは一切使わないし、みんな仲良く−−って感じだけど、実は裏でベロを出して馬鹿にしていたらまったく意味がないのでは?
国語や英語、算数などがどうこうではなく、そうしたことをキチンと教えるのが、本当の「教育」だと個人的には信じているんですけど。
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