筆者には、子どものころに読んだきり、いま一度読み直したいと長年思い続けてきた本がある。
それがタイトルに記した「真田十勇士」で、著者は歴史小説の大家である柴田錬三郎さん、出版元はNHK出版(全5冊)だった。
何故、そんなに詳しく覚えているのかと言うと、この本は総合テレビで放送していた人形劇を小説仕立てにしたものだったから。つまり、いま思い返すと、人形劇の脚本を人気作家の柴錬さんが書いていたのだから、恐ろしい・・・・・・。
もっとも、だから無茶苦茶面白かったのかもしれないけど。テレビも、毎週毎週、ホントに放送が楽しみでした。
ともかく、そんな柴錬版の「真田十勇士」だが、NHK出版で一度だされたあとは梨の礫で、完全廃刊に。だって、柴錬さんの全集にさえ、収められていないぐらいの扱いなので。
なんとかならんか、また読むことはできないのかと、東京に行ったときには神田の古本屋街で探したりもしたけれど、結局見つからず。
40年にわたり、この調子なので、もうこのまま終わるのかと覚悟していたら、なんと、集英社が「40年ぶりに文庫化する」というニュースを見て、仰天してしまった筆者なのでした。
実を言うと、筆者は一度も見たことがないけれど、今年の大河ドラマは「真田丸」だし、それ以外でも便乗してなのか、なんだか「真田」モノがアチコチで取り上げられている。いま現在は、「真田十勇士」の舞台もやっているみたいだし。
−−そんな流れのなかで、集英社の誰かが柴錬さんの「真田十勇士」も思い出し、復活を遂げたのだろうが、ともかくホントにうれしい限りです。
誇張なしで、飛び上がって喜んだ出来事だし、正直ここ2-3ヵ月で、筆者にとってはこれが一番嬉しいニュースですから(笑)。
で、全3巻、さっそくコンプリートし、毎日少しずつ読んでいます。もっと読みたいけど、終わるのが惜しくて、セーブしながら、ホントに少しずつ。なにせ40年ぶりなので、感慨もひとしおですよ・・・・・・(苦笑)。
いやぁ〜、でもこれ、活字でもホントに面白いですね。 最近流行りの、「ヤングアダルト」とか「ライトノベルズ」ではない、昔の「ジュブナイル(子ども向け)」らしい小説だと思います。いわゆる、「冒険活劇」って感じのね。
しかし、これを読んでいたら、少し欲が出て、人形劇そのものもいま一度見たくなってしまったけど、聞くところによると、何故かNHKに当時のテープが全部は保存されていないのだとか。
ちなみに、これって「真田十勇士」に限らず、「ひょっこりひょうたん島」とか「新八犬伝」とか、別の人形劇もそうらしいです・・・・・・。
当時はテープがかなり貴重な存在だったので、使いまわしされ、のちに別番組を上書きすることが結構あったんだとか。う〜ん、残念・・・・・・。
仮に、どこかで完全版のDVDボックス化とかされるなら、速攻で筆者は買いますけどね。間違いなく(笑)。
・・・・・・でも、それは無理な相談。仕方ないから、東京の人形町にある「(辻村)ジュサブロー人形記念館」でも行って、余韻に浸ってこようか、と考えている筆者なのでした。
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