筆者が自身で世間一般的な感覚とズレていると思うことは幾つもあるのだが、そのなかには仕事に絡むものもある。
うちひとつは、よくみんなが口にする「景気が悪い」という話について。 確かに業界によっては景気が確かに悪いものの、トータルして見た場合、景気が悪いわけではないと筆者は思っている。むしろ、足もとは「良い」方なんじゃないだろうか?
では何故「悪い」と言うのか。
もちろん全員に聞いたわけではないけれど、知人など何人かに追加で聞いてみると、「景気が良かった」として比較している過去の時代が悪過ぎると思う。 具体的に言えば、ほとんどの人が「バブル時代は良かった」と言って、「それからすると今は・・・・・・」という。そりゃぁ、バブル時代は良過ぎるほど良かった、ですからね。それと比較されてもねぇ、と言うことになる。「悪い」としか表現できないですよね、確かに。
もうひとつ、疑問に思っているのが「デフレ」だ。 ご存じのように、デフレとはモノの価値、つまり物価が断続的に下がっていく現象をいう。
これが繰り返し起こることにより、物価の下落で企業収益が悪化、人員や賃金が削減されるとともに失業者の増加、需要の減衰が起こり、さらにデフレが深刻化するという悪循環(デフレ・スパイラル)に陥ると言われている。
けれど、本当に現在はデフレなんだろうか?筆者はこれにも疑問を持っている。
なるほど、テレビを中心に家電の価格下落は著しい。これは確か。 また土地を含めた不動産価格も下落している。
しかし、身近なところでいえば、たとえば本や雑誌の値段はモノ凄く上がっています。文庫本なんて、たぶん10年前から価格が2倍ぐらいになっていると思う。 また、ガソリン価格も足もとはもちろんのこと、それ以前、1年前の金額を思い出してもらっても明らかに10年前より高かった。
あとは公共料金や食品関係ですね。後者については味噌、醤油や豆腐など大豆系を中心に、結構お高くなっています。
もっとも、筆者が知人のエコノミストにこうした話をすると、だいたい笑われるんですけどね・・・・・・(苦笑)。 けれど、現状をそれでも「デフレ」と呼ぶのであれば、いわゆる「良いデフレ」である気がしないでもないですね。もちろん、個人的な感覚ですけど。
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