筆者は自称「アウトドア系オタク」−−だ。夏はサッカー、冬はスキーと休日になるといそいそと出掛けてしまうのだが、それでも本は「本格」推理小説を中心に読むことにしている。
そんななか、昨年読んだ本の数を数えたら153冊。8-9月に読むペースが少し落ちましたが、それでも年間を通すと過去10年間で最高の読書量でした。よく頑張りました、と取り敢えず自分を褒めてあげたいですね(笑)。ただ、それでも積読本は一向に減る気配がありません。現在でも30冊以上は優にありますからね。買うのをさらに抑制するか、それとももっと頑張って読むか、方法は2つにひとつしかないので・・・・・・。
さて、一年間に読んだ本のなかで、毎年自分自身の「ベスト10」を選んでいる。ここ数年は当コーナーで簡単にご紹介している。恒例ですね。本日は昨年のランキングを取り上げてみたいと思う。 ただし、前述したとおり、読む本のほとんどは「本格」推理小説、そして基本的に文庫本であるという点は含みおきいただきたい(すべて文庫本)。
では早速、以下で(タイトル・著者・出版社)。 @『アントキノイノチ』 さだまさし(幻冬舎) A『ダブル・プロット』 岡嶋二人(講談社) B『エコール・ド・パリ殺人事件』 深水黎一郎(講談社) C『やさしい死神』 大倉崇裕(東京創元社) D『小説ルパン3世』 アンソロジー(双葉) E『芝浜謎噺』 愛川晶(東京創元社) F『達人 山を下る』 室積光(中央公論) G『山魔の如き嗤うもの』 三津田信三(講談社) H『リベルタスの寓話』 島田荘司(講談社) I『ガリレオの苦悩』 東野圭吾(文春)
昨年はミステリーに偏らない色とりどりのラインナップとなった。これは決してミステリーに面白いものが少なかった、ということではなんですが。そんななか、話をミステリーだけに限定すると、昨年は長編より短編で面白いものが多かったと思う。実際に2、4、6、9、10位は短編あるいは中編です。長編でランクインしたものは3位と8位だけですね。ただ、短編の場合には一冊になった場合、出来のいいのと悪いのが一緒になってしまうことが多く、それがね。ちょっとだけ残念。たとえば、10位の『ガリレオの苦悩』なんて、そのうちの「操縦る」だけを取り出せば年内ベストだったかも・・・。ただ、ほかの出来が足を引っ張りました。
一方、ミステリー以外では断トツに面白かったのが、さだまさしさんの『アントキノイノチ』です。わたし、さださんは歌手として好きなんですが、小説家としては「もう少し文章がこなれるといいな、基本的には面白いのに」ってずっと思っていたんです。これまで『精霊流し』や『解夏』などの小説を読んでね。そしたら、この本は「ずっぽし」はまりました。 これからは小説家「さだまさし」さんにも大注目したいと思います。
−−いずれにしても、もう2012年は始まっていますからね。昨年は昨年として、今年も面白い小説を読ませてくれ!期待しているから! ▲top |