今週の為替市場は、先週末に掛けて進行したユーロの巻き戻しと円全面安の継続性を見極める展開となりそうだ。そうしたなか、最新のシカゴIMMの投機筋ポジションを見てみると、円ショートは最新データ4月20日現在で50,338枚の売り越しとなっている。前週比で5,408枚の減少となったが、まだかなりの円ショート・ポジションが蓄積されているうえ、週末にかけて実勢相場で円安が進行した流れから、円ショートはそのあと再び積み上がった可能性も否定できない。足もとは円全面安をたどっているものの、ポジションの巻き戻しによる円反発リスクは頭に是非留めておきたい。
テクニカルに見た場合、日足ベースでは緩やかな右肩あがりをたどる移動平均の21日線(26日現在93.30-35円)をサポートにドルは底堅い値動きとなっている。また、フィボナッチの観点では、前回高値94.77円を起点とした下げ幅の61.8%戻しの93.55円レベルをしっかり上抜け、94円台へと到達してきた。それにより、ターゲットとしては前回高値の94.77円が薄らと視界内に捉えられている。ドルの続伸が見込まれる足形だが、週足・一目均衡表では94.30円レベルに位置する先行帯の雲の上限が思いのほか強い抵抗となっており、超えていくことが出来ない。ザラ場ベースの動きもさることながら、週末NYクローズがどのレベルにあるのかについても是非注意を要したい。
一方、今週も材料面から注目したい要因は大きく2つある。 ひとつは、28日に結果が発表されるFOMCで、出口戦略についての前進が見られるのかどうかがポイントになりそうだ。一般的には、バーナンキFRB議長らがかつて講演などで発言したことを参考に低金利政策はまだしばらく続くとの見方が優勢だが、その一方で先週末には「FOMCメンバーの6人がモーゲージ担保証券などの資産を近いうちに売却することを支持している」などと米CNBCテレビが報じており予断は許さない。実際の行動はともかく、FOMC声明における文言の修正などについては必ずしも否定されるものではないだろう。
そしてもうひとつの材料は、月末週そしてゴールデンウィーク(GW)前と言うことでの需給要因に要注意。通常、月末にかけては駆け込み的な輸出予約などが観測される反面、外貨建て投信の設定なども集中しやすい。加えて今週はGW前と言うことでの海外渡航手当てや、連休中のスワップポイント狙いの高金利通貨買い・円売り観測−−なども聞かれている。円売りor円買い、果たしてどちらが優勢となるのだろうか。
なお、それ以外ではギリシャを中心とした欧州諸国のソブリン問題や発表される米経済指標、中国人民元の切り上げ観測、日本の政局リスク−−などにも注意を要したい。
▲top |