為替市場では先週の流れ、つまり円の全面高が今週も続くのかどうかという継続性の見極めがまずはポイントとなりそうだ。 ドル/円でいえば、先週2度下げ止まった91.70-80円レベルをキチンと割り込むようだと、90円半ばあるいは90円ちょうどという大台割れトライが現実のものとしてと捉えられることになるだろう。
そんな円全面高の流れが続くのかどうか、見極めるうえで重要な材料は2つある。
ひとつは、先週発表されたアルコアを皮切りに、今週に入り発表が本格化する米国の企業決算。とくに今週は大手金融機関の決算発表が連日予定されており、一例を挙げると14日にはゴールドン・サックス、16日にJPモルガン・チェース、17日にはシティ・グループとバンク・オブ・アメリカ、メリルリンチ−−などが決算を発表する見込みだ。 内容が大幅に改善されるといった期待も高く、それが具現化されることにより先週からの円高傾向に歯止めをかけかねないのかも知れない。
一方、もう一つ注視されるものは、アメリカを中心とした経済指標だが、そのなかでもややダークホース的な存在として16日に発表される中国の4-6月期実質GDPを敢えて挙げておきたい。
先週は原油をはじめとする商品市況のポジション調整を受けて、カナダドルやオージーなど資源国通貨が急落、対価として円が買い進まれた。そんな商品市況下落の一因となったのは、世界的な景気回復に対する不安、つまり米国ともに世界経済を牽引する中国の景気回復への不安があったのだろう。 したがって、今週発表される各種の米経済指標の改善はもちろんのこと、中国GDPが改善した場合にも商品相場や資源国通貨の反発を招くとともに、現在の円高の流れを反転させる可能性を否定出来ないのではなかろうか。ともかく、東京タイムに発表されるものだけに、16日は取引をされる方に十分な注意をしていただきたいと思っている。
P.S. 日々のドル/円のストラテジーは「為替一家の華麗なるFX生活」にて。 ▲top |