筆者のような人間には何の不思議もないのだが、一部の個人投資家にとって、為替のレート2本立つことが不思議でならないようだ。たとえば、「115.10−15円」というように。 また、それとは別に「株式はどこの証券でもレートはすべて一緒なのに、為替はA社とB社で微妙に異なる。それも不思議」−−などといった質問を受けることが少なくない。
後者を説明すると、それこそがまさに「取引所取引」であるのか「相対取引」であるのかの違いになる。 株式の場合には『東証』や『大証』などを通じた「取引所取引」なので、レートはどこの証券会社でも一緒。これは当然のことだ。それに対して為替は原則「相対取引」のために、業者やシステムによってレートが若干異なることになる。ただし、『くりっく365』は「取引所取引」だ。したがって、『くりっく365』に関すれば、「A社とB社でレートが違う」ということはない(と思う)。
・・・前振りがだいぶ長くなったが、先日ある証拠金業者の方と元ディーラーと筆者、3人で飲み会をやった。 そのときに、前述したような話題が誰からともなく出たのだが、そこで元ディーラー氏が画期的な提案をした。それは次のようなものだ。
「わたしも講演などをやる際、2WAYクォートについては良く聞かれる。個人の方にはやはり判り難いのかも知れない。そこで思うのだが、手数料3銭・スプレッド5ポイントなどといったものを、1WAYクォートにしてスプレッドをゼロ。その代わり手数料を10銭とかにしたらどうだろうか。本当は顧客サイドに不利な条件なのだが、そちらの方がむしろ人気が出て顧客が集まるように思う」−−。
う〜ん、正直いって為替の1本値というものはイメージがわかないのだが、なるほどと思うところも少なくない。 酒飲み話、元ディーラー氏も本気で言った話ではなかったと思うが、それでも証拠金会社の方が真剣な顔で話を聞いていたのは少し笑ってしまった。もしかしたら、そんなに遠くない将来、一部の業者がそんな方法を導入してくるのかも知れない。
と言っても、1本値は業者さんにとって、相当リスキーなんですけどね・・・。とくに、ドル/円はともかくクロス円、値動きの激しいポンド/円なんかとくに。 ▲top |