筆者の本業は「為替記者」であり、ディーラーや役所関係、政治家などを取材して原稿を書くことが基本となっている。
がしかし、書く原稿はそれだけでなく、エコノミストのようなファンダメンタルズ分析やあるいはチャーティストのようなテクニカル分析もお届けしている。とくに最近は対象を個人投資家の方に比重を掛けているためか、テクニカル分析の「ウケ」が良いようだ。
さて、そんななか、テクニカル分析についての質問も良くいただく。 内容はそれこそ千差万別なのだが、とくに多いのは次の2つだろうか。具体的には、「どのチャート分析の的中率が高いのか」と「どんなチャート分析を実際に使っているか」−−。
この場を借りて、前記2つの質問についてまとめてレスをしておきたい。 まずは前者の「どのチャート分析の的中率が高いのか」だが、これは正直良く判らない。と言うより、「帯に短しタスキに長し」で、それぞれ一長一短のあるというところが本当だろう。一例を挙げると、「エリオット波動」は短期予測に向かないが長期予測には適していると思うし、「平均足」は相場にある程度の動きのあるときは勝手が良いがナギ相場では確度が落ちる。 やや無責任な言い方になるかも知れないが、やはりそのときそのときで「より確からしい」チャートを自身で見つけ、それを使用するしかないのではと思う。
次に「どんなチャート分析を実際に使っているか」について。 筆者が毎日見ている、あるいは使用しているものは僅か3つしかない。ローソク足をベースにした「移動平均線」と「一目均衡表」、そして「RSI」だけだ。
なお、こちらについても失礼を承知で書けば、どうもシロウトの方ほど、難しいテクニカル分析を使いたがる傾向がある。それも正しい使い方をしてくれれば良いのだが、「3本新値足」ならぬ「10本新値足」とかね。それって、シグナルが出るころにはトレンドが転換していると思うんだけど。 ともかく、筆者は「テクニカルはシンプル・イズ・ベスト」を信条にしている。実際、懇意にしているどのチャーティストも、デイリーベースでそれほど複雑なものは使っていないし、種類もせいぜい3種類程度だ。
もっとも、自身のやり方で儲かっていると言う方は、例え複雑なテクニカル分析を使っていてもいままでの方法を見直す必要はないだろう。と言うより、むしろそれを継続した方が良いと思う。
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