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2008年08月11日
■「福田改造内閣」

アメリカを主体にした内容が続きましたので、今回は日本に目を向けてみます。
おあつらえ向きと言ってはなんですが、先週末福田改造内閣が誕生しました。支持率の低下に歯止めがかからず、首相の最大の切り札である解散権の有効期限が残り少なくなる中にあって、何としても実績を残して衆議院選に持ち込みたい与党陣営。そしてこれを見透かしたように先走りする報道。

なんとなくマスコミにせっつかれて着手したような印象の改造人事ではありましたが、意外にも組閣人事に対してマスコミの評価は高く、そのお陰のような感じもしますが支持率も上向いているようです。

一部の評論家が「古着内閣」などと揶揄していましたが、素人目にはあまりパッとしない印象で、前閣僚達は何が悪くて交代させられたのかがはっきりと見えてきません。
与謝野、伊吹、谷垣(敬称略)らの名前を連ねて財政再建→増税内閣とする向きもありますが、選挙を控えて増税を前面に押し出せば結果がどうなるかは当の自民党が一番良く知っていることでしょう。

そのパッとしない内閣も政治の玄人筋には思いの外評判が良いわけで、となると素人が見てもわかるような結果がはっきりと残せると言うことなのだろうと個人的には理解しました。
とするとその残せる結果とは、最長でも1年1ヶ月しかない期間で沈みかけている景気を浮揚させることなのだろうなと考えています。

第一次福田内閣と新内閣との比較を前出の3氏にフォーカスしつつ別の観点で見てみるとそれがなんとなく見えてきました。先の内閣の経済閣僚は市場原理主義に近く、「小さな政府」を目指す人々。新内閣では社会民主主義に近く、「大きな政府」を目指す人々。はっきりと区別してしまうと誤解も多くなりますがアバウトに分けるとするならそうなるでしょう。

先の衆議院選でこの「小さな政府」と「大きな政府」の選択を迫り「小さな政府」を標榜した自民党をアピールしたわけですが、先の参院選で「大きな政府」に舵を切った民主党に大敗し、再び軌道修正をした。なんとも自民党らしい動きであります。

ただ、たしかに短期間のうちにこの景況感を好転させるには財政出動は効果的ですし、アメリカでもあったようにそれが必要な時期でもあるのだろうと思います。

さて、民主党はどう動くのでしょうか。景気がそれで上向くならあまり対立姿勢を前面に押し出さないほうが得策という気もします。



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