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2008年07月21日
■「チキンレースが始まった?」

これでもかと言わんばかりにアメリカの悪材料が飛び出します。週末、米政府系住宅金融機関2社、ファニーメイとフレディマックの経営危機説が流れ再び信用不安が市場を覆ってしまいました。

当局も事態の沈静化には必死で、金曜ポールソン財務長官が市場に流れた国有化説を否定し、一時的に株価も値を戻しましたが引けにかけては再び売り込まれる状態。
土曜日には住宅金融大手のインディマックの破綻報道もあり週明けのドル売り懸念が更に増加してしまいました。
ポールソン財務長官はここで日本時間の朝、ファニーメイ、フレディマックに対する公的資金による資本増強策の検討、NY連銀による資金繰り支援を発表しました。

まるで昔の日本を見ているようですが、これまでアメリカでの公的資金注入は難しいと思われていましたし、その点では踏み込んだ対策としてアジア市場ではドルもやや買い戻される動きを見せました。

しかし、NYでは一部地銀でサーキットブレイクが発動するまで売り込まれる事態もあり金融不安に株は続落。ドルも軟調。
報道にも出てしまうように当局の施策が後手に回っているとの見方をされてしまう有様です。

今週は大手米金融機関の決算発表も控えています。先々週は一時的にも景気後退懸念からの需要減で下落していた原油が既に高値水準まで上昇してしまっており、サキヨミのための悪材料となりそうなネタも目白押しです。

市場は株式も為替もどこまでアメリカを売り込めるのかを試さずにはいられないような環境になっています。さりとて、やりすぎれば世界中で首が絞まってしまう恐れをも内包しているだけに当局のみならず市場参加者たちもおっかなびっくりしながらの取引を強いられているように思えます。



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