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2008年07月07日
■「消去法的ステートメントに混迷」

FOMCは市場の予想通り据え置きを決定しました。注目されたステートメントはあまり市場の期待には沿わなかったと言ってよいでしょう。ステートメントでは決定の明確な理由らしきもの、またこの決定によっての今後の展望が曖昧と受け止めた見方が多かったようです。

事前にバーナンキ議長の発言、ポールソン財務長官の発言と続けざまにインフレ警戒、強いドルへの支持をしながらも、「収束に向っている」はずの金融不安からの景気後退懸念を前回よりむしろ強めに残していました。

消去法での据え置きに、今後の景況感改善→インフレへの積極的対峙というシナリオが描きにくくなった市場は、期待分のポジションを落とし始めました。ドルの水準も各通貨に対して下落、バーナンキ発言以前の水準へという動きとなりました。

株式市場は景況感の改善、金融不安への疑念を如実に示し、GMやシティといった大手銘柄が軟調、下落の一途を辿っており株式市場では底割れへの不安が拡がっています。チャート的にも重要なサポート水準を割り込んでおり売りが売りを呼ぶ環境です。

市場は各国政府の連携度合いとドル水準防衛への覚悟を試し始めているようにも見えます。
間の悪いと言うコメントが適切とは思いませんが、月曜日にはムーディーズが日本の国債の格付けを上げました。はっきり言って今までが低すぎたと言えるのですが、予想外のタイミングであった事もあり、インパクトありました。

市場も先のシナリオが描ききれないジレンマにあります。短期間にレンジを抜け切れない代わりにややボラタイルな値動きを続けそうです。

今週は金曜が米国の休日となっている為、第一金曜恒例の雇用時計が木曜に発表されます。このイベントを控えての神経質な動きに注意が必要です。



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