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2008年06月23日
■「G8」

先週末大阪でG8財務相会合が開かれました。声明文にドル安懸念に関しての直接的な言及がなされるのではとの期待もありましたが、実際にはありませんでした。

注目は、最大の懸念材料がサブプライム問題に端を発した金融市場の混乱からインフレ加速へシフトしている点と言ってよいでしょう。金融市場の混乱への懸念材料は依然として燻ぶっていますが、これに関する内容が前回のワシントンG7に比して明らかに薄くなっていました。そしてインフレ懸念に関する内容がこれを上回って書かれていたのです。

明言はされていませんが、示唆するところは単なるインフレ懸念ではなく景気減速とインフレの同時進行、即ちスタグフレーションへの警戒であったように思われます。

為替市場は、冒頭に触れたように為替相場への直接的言及がやや織り込まれていた為か週明けシドニー市場ではドル売りに動意しましたが、参加者が集まりだすに連れ元の水準まで回復しました。声明文での言及はなかったものの、各種報道の通り、ポールソン米財務長官は会議中に「強いドルを信じる」と発言したようですし、インフレ懸念の元凶ともいえる原油、食品価格の高騰とこれまでのドル安容認の関連は無視できないとの見方が多く、間接的ながらこの声明の示すところはドルの回復と言えるとのコンセンサスが取れたと言うことではないでしょうか。
月曜日のブルムバーグニュースでは、ミスター円こと榊原氏が、米政府がドル安容認から政策を転換してきた点を指摘し、ドル円相場の急激な円高進行リスクが小さくなったと発言されていました。

ただし、先週も触れましたが金利市場が織り込むほどの急速な金利上昇や米景気の回復をも意味していない点にはやはり注意が必要でしょう。



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